東北大学病院 放射線診断科

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第11回日本穿刺ドレナージ研究会に教授 ・高瀬圭、助教・針谷綾花、専攻医・山本一期先生、研修医・山本新之助先生、本学医学部5年生・田中元さんが参加しました。

第11 回日本穿刺ドレナージ研究会に参加しました
2026 年7 月18 日(土)、「第11 回日本穿刺ドレナージ研究会」が北海道札幌市の北海道大学学術交流会館にて開催されました。本研究会は、IVR における穿刺およびドレナージに特化した、専門性の高い研究会です。当科からは、高瀬教授が「穿刺・ドレナージの啓蒙と普及のためのYouTube 活動」と題して発表を行いました。発表では、副腎のインターベンショナルラジオロジーや、それに関連する高血圧について、正しい知識を広く発信するためのYouTube 活動について紹介しました。
また、針谷綾花助教が率いる「穿刺ナビゲーション開発チーム」からは、専攻医の山本一期先生、研修医の山本新之助先生、本学医学部5 年生の田中元さんが参加し、開発中の機器の一つである「副腎穿刺シミュレーター」の展示を行いました。
今後も当科では、穿刺・ドレナージ技術の発展と普及に向けた研究・開発および情報発信に取り組んでまいります。



教授 高瀬圭が、カザフスタンの首都アスタナで行われた第12回ユーラシア放射線学会(EARC)にて講演を行いました。

第12回ユーラシア放射線学会に参加して:参加記

カザフスタン放射線学会のTairkhan Dautov教授からシンポジストとして招待され、2026年6月25日から27日にカザフスタンの首都アスタナで開催された第12回ユーラシアEARC放射線学会に参加させていただきました。今回のEARCはESOR(European School of Radiology)と併催されたため、若い放射線科医も多数参加していました。
私は、IVR sessionにて、”The Role of Interventional Radiology in the Diagnosis and Treatment of Hypertension”と題して、高血圧疾患および原発性アルドステロン症に対する画像診断とIVRについて講演を行いました。カザフスタンでは、腫瘍や動脈硬化のIVRは盛んに行われているものの、内分泌疾患の放射線診断は新鮮だったようで、講演後には各国の先生方から多くの質問やご意見をいただき、session終了後にも議論をさせていただきました。ロシア、カザフスタン、パキスタン、中東などから参加された先生方とは、日本ではあまり行わない脳静脈洞ステント留置やオゾン注入による椎間板ヘルニア治療、などについても意見交換を行いました。EARCでは、国際セッションは英語で行われますが、私が話したIVRセッションでも現地やロシアの放射線科医はロシア語で発表する場面があり、画像しか追えない状態になったのはややハードでした。今年はタイ放射線学会のIVR医とEARCとの合同セッションがあったので、そちらは安心して参加できました。
夜は連日のレセプションで、カザフスタンの歌手と思われるアトラクションがあり、日本代表でご挨拶もしてまいりました。牛、馬、鶏の肉食が毎日続くので、60代の胃にはなかなか堪えましたが、おいしいのでつい食べてしまい、慢性満腹状態ではありました。海は遠いので、魚はカザフスタンの「鯉」であるというものをいただきましたが、淡水魚のくせはないものでした。
今回、カザフスタンは初訪問でした。直行便はないので、ソウルで乗り換えに1泊してから7時間余りのフライトです。空港には2名の若手IVR医、Akiubekov Galymzhan先生とTulemisov Abay先生が迎えに来てくれました。とても親日的な印象で、日本のアニメをたくさん見ているそうです。同時に、ソ連時代の歴史についても熱心に語ってくれました。
学会に先立ち、2名の職場でもあるアスタナのUniversity Medical Center(UMC)を訪問しました。IVRのトップであるVictor Zemiyanskiy教授の案内により、カテーテル室やIVR病棟、外来を見学させていただきました。患者さんとの会話はロシア語とカザフ語なので、内容は良くわかりませんでしたが、「日本の放射線教授が来ている」と言って患者さん方に紹介され、親日的なのか皆さん笑顔で迎えてくれたのが印象的でした。若手のIVR医に症例の内容を英語でプレゼンしてもらいましたが、脂肪の多い肉食中心の生活のためか、日本よりは若年での動脈硬化性疾患の発症が多い印象でした。国全体が若いためか、70代以上の患者さんはあまりいませんでした。病院の敷地面積は大きく、廊下も広くとってあり快適そうな印象でした。
病院見学と学会の合間には、英語のできる現地ガイドを手配して、アスタナから160kmほどのところにあるコルガルジン自然保護区を訪れました。ガイドからは山や湖の観光地も勧められましたが、「そういうものは日本にもあるので、今回は中央アジアの平原が見たい。」とリクエストしておりました。運転手はかつてはモスクワで数学と物理を修めて原子核技術者をしていた優秀な方で、4人のお子さんのうち3人は医師で、そのうち一人の息子は放射線診断医、娘は産婦人科医ということで、定年後に趣味でガイドをしているそうです。何を聞いても即座に解説が返って来て、医療で用いる放射性同位元素と核施設で使う同位元素の物理的性質の違いを車中で議論するとは予想していませんでした。
草原は平線まで続く雄大なもので、自然保護区には多くの野鳥、「サイガ」という一時は絶滅危惧種になった珍獣が群れをなして走り回り、放牧されたの牛や馬、鶴やフラミンゴが水場に集まっていました。コルガルジンでは、自然保護管がジープで案内してくれましたが「夏は見るのは難しいかもしれません」と言われていたフラミンゴを頑張って探してくれて、中央アジアならではの豊かな自然を満喫できた感があります。
短期間滞在での私の勝手な印象ですが、カザフスタンの人たちの旧ソ連への印象は世代間でかなり異なるようです。今回の運転手は、旧ソ連時代にカザフスタンの地方から成績優秀なのを見出されてモスクワへ招かれ、数学と原子核物理学を学んだそうですが、学費は全て無料だったそうです。ある世代以上では部分的に社会主義へのノスタルジーのようなものが残っているのかもしれません。反面、若い世代には反ソ連的な歴史教育が行われがちで、スターリンによる粛清の数も誇張されているかもしれないとのことでした。「ソ連によって最も心理的トラウマがあるのは今の若い世代だ」という説もあるそうです。
帰路途中のALZhIR記念博物館には、スターリン時代の大粛清において「祖国を裏切った者の妻」という理由だけで収容された女性たちの収容所跡を保存されており、innocent but guiltyの歴史が展示されていました。
これとは別に、UMCの先生方からは、旧セミパラチンスク核実験場についても多くのお話を伺いました。現在はセメイと名称が変わっていますが、旧ソ連時代に数多くの核実験が行われた地域です。現在もその地域から患者さんがUMCを受診されており、現地の医師は、核実験の影響が世代を越えて続いているととらえているようです。見学した時には、セメイからの少年の腎委縮患者のIVRが行われていて、セメイにはこうした患者がまだまだいると解説されました。
そして、もう一つ印象に残ったのは、この国の若さです。出生率は近年やや低下したとはいえ、日本の倍以上の2.6であり、30歳以下の人口比が49%です。旧ソ連崩壊後の1990年代から2000年代初頭までの経済危機により20-30代前半に人口のくびれがあるものの、現在は順調に人口が増加しています。平均寿命は76歳です。街には子どもや若者の姿があふれ、公園では大勢の子どもたちが楽しそうに水遊びをしていました。若いお母さんは2-4人の子供を連れている人が多く、数十年前の日本の風景を思い出させます。出生率には、70%がイスラム教であるという理由もあるのかもしれませんが、子供が多いというのは国力の一要素であり、日本の現状と比べると、なんとも思うところがあります。一方で、病棟で回診した患者さんは前述の如く50〜60代が中心で、日本の大学病院とは少し違う年齢構成を感じました。肉食を中心とした食生活のためか、動脈硬化性疾患は比較的若い年代からみられるというお話も伺いました。
豊富な石油や天然ガス、ウラン、金などの地下資源に恵まれ(しかし製油所がないのでロシアに原油を持って行って、そこから石油を買わないといけないという話もありますが)、広大な国土では農業(乾燥しているので単位面積当たりの収穫量は低いが面積でカバーする)や牧畜が営まれて、私は表面しか見ていないとは思いますが、国としての活気と発展性を感じました。
今回の学会では、学会もレセプションも楽しく、また、UMCで患者層と担当疾患の際を見られたことも興味深かったのですが、カザフスタンの歴史とその認識および日本との人口構成の違いは印象的でした。興味深い国と学会に派遣していただいた医学放射線学会に深く感謝して、私の参加記とさせていただきます。


若手放射線科医も多く参加した12thEARC


連日のレセプションで、タイの放射線科医と


UMC訪問と動脈硬化のIVR


コルガルジン自然保護区でのフラミンゴ、広大な草原を運転手と自然保護管により案内された


カザフスタンの人口ピラミッドについての発表もあった。人口のくびれはソ連崩壊による経済危機を反映したもの。
ALZhIR記念博物館での女性収容所等旧ソ連時代の歴史が残る。

学位取得のため核医学部門で研究していた総合外科の丸山大貴先生からのメッセージ

総合外科の丸山大貴と申します。
2024年4月から2026年6月まで、大学院の学位研究のため放射線診断科核医学分野で研究を行いました。

研究テーマは食道癌のPET画像を用いたAI画像診断でした。赴任当初は原著論文を書いたことが全くありませんでしたが、髙浪先生、外山先生をはじめとする先生方のご指導のおかげで、無事に学位取得見込みとなりました。

学位論文だけでなく基礎論文を含め英語原著論文2本がaccept、1本が現在revision中となり、研究した内容を形にすることができました。論文投稿にあたり、大量のmajor revisionコメントへの対応や、年末年始休みにも関わらず投稿前の修正にお付き合いいただいたことは、大変思い出深く、感謝しています。
学会発表についても外科系・放射線系の学会で、画像研究について発表させていただきました。全国学会ではシンポジウムを経験でき、地方会では学会賞をいただくことができました。

研究のみならず、日中はPET業務を中心に放射線科の臨床業務にも携わらせていただきました。
PETの読影も基礎からご指導いただき、読影した症例にはすぐに適切なフィードバックがあり、大変勉強になりました。研究一辺倒ではない生活リズムが私にはとても合っていたと感じており、大変充実した院生期間を過ごすことができました。

現在は外科臨床に戻ったばかりですが、大学院生活の経験を今後の外科人生に活かしていきたいと思います。
2年3か月間、本当にありがとうございました。

2026年6月2日から6日にかけて、京都にて行われた第22回国際内分泌学会議:The 22nd International Congress of Endocrinologyのシンポジウム<Progress in the Management of Primary Aldosteronism>にて、高瀬教授が、"Advances in the Diagnosis and Management of Primary Aldosteronism:The Role of segmental AVS and Radiofrequency Ablation"の講演を行いました。





基礎医学修練生 菊田晶太くん からのレポート紹介

はじめまして。東北大学医学部医学科4年生の菊田晶太と申します。
今回は、私の放射線診断科での貴重な経験についてお話させていただきたいです。

東北大学では医学科の3年生の夏から研究室に配属される「基礎医学修練」というカリキュラムが設けられています。この期間で学生は研究を通して様々なことを学びます。期間中は講義もなく、研究に集中できる環境が用意されており、これが東北大学の特徴の一つでもあります。
私はこの基礎医学修練の期間、放射線診断科にてお世話になりました。期間中に研究の進め方の基礎や、CTやMRIといった画像の読影のコツなど、ここでしか経験することのできない、たくさんのことを学ばせていただきました。講義での説明だけでは吸収することのできない様々なことがあり、研究において用いる統計や得られた結果からどのように考察するのかなど、今後のキャリアで通ることになると思われる重要なスキルを身に着けることができ、とても貴重な経験になりました!私は医学祭というイベントの実行委員も務めていたため、早めに研究室を出なければならないときもありましたが、そういった事情にも柔軟に対応していただき、感謝してもしきれません。

2025年11月には日本医学放射線学会の北日本地方会(仙台)にて初めての口演発表の機会をいただき、学会デビューを果たさせていただきました。限られた時間の中で聴衆に重要なことを伝えるということがどれだけ難しいかを実感しました。スライドの構成や発表の仕方など、熱心に指導していただけたおかげで、本番は緊張こそあったものの、無事に発表することができました!この経験は自分にとってもとても印象深いものになっています。
さらに、基礎修練が終わったあとも、2026年4月の日本放射線学会総会(横浜)に向けてご指導いただきました。この準備の期間は大学の講義もあり、隙間時間を見つけて準備を進めてまいりました。文献の引用から考察を組み立てるということがかなり難しく、とても苦戦しましたが、こういったスキルも成長させることができたと感じています。
さまざまな準備を通して臨むこの学会、個人的に「放射線診断科での学びの集大成」と感じながら臨むことになりました。そして、この学会でMedical Trainee Best Case Report Award (臨床研修医/医学生優秀症例報告症)の1st prizeを受賞することができました!二度の学会発表というとても貴重な経験をさせていただき、さらにこのような賞をいただくことができたことは大変光栄であり、放射線診断科の先生方には感謝してもしきれません。自分の人生のなかでかけがえのない経験になったと感じています。

そして、この放射線診断科での経験は学術分野に限ったものではありませんでした。2026年2月には指導医の先生および専攻医の先生方といわきサンシャインマラソンを走るという大きなイベントもありました。高校生まで長距離走がとても苦手で、人生初のフルマラソンにとても緊張していましたが、無事に完走することができ、とても楽しく、忘れられない経験になりました!

放射線診断科での経験を振り返ると、やはりここでの学びの時間はとても充実であったと感じています。
改めて、基礎修練期間から熱心にご指導いただきました外山先生をはじめ、放射線診断科の皆様、そして高瀬教授に心から感謝申し上げます。

【お知らせ・お祝い】新たに4名の放射線科医が仲間入りしました!

東北大学放射線診断科は、この度、新たに4名の新入局員を迎え入れることができましたことを、喜びと感謝の気持ちでお知らせいたします。2名は初期研修を終えたばかりの専攻医として、2名は他科での研修中に診断科になろうと決心して転科して来てくださいました。
 1年で放射線専攻医研修4名というのは首都圏を除くと多い方で、当科の業績や指導体制が評価されたものと考えておりますが、当科は彼らが早く環境に慣れ、業務に取り組めるようサポートいたします。
これからも、当科は新たな仲間と共に、より良い医療、教育、研究を行い、さらなる発展を目指してまいります。どうぞ、今後とも東北大学放射線診断科をよろしくお願いいたします。

 また、コラムにて、4名の新専攻医が、学生〜専攻医選択までの期間、どのような経緯で東北大学の放射線診断科を選ぶに至ったか、アンケートを取ってまとめています。
https://ameblo.jp/thk-rad118/entry-12963733947.html
ぜひご覧ください。


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