東北大学病院 放射線診断科

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CT検査

 CTとは

 CTとはコンピュータ断層撮影法(Computed Tomography)のことです。装置が、被検者の周りを回転するように放射線(X線)を照射し、その情報をコンピュータ処理して身体の断面を撮影することができます。CT検査では、体内の様々な病気を発見することができます。当院では、マルチスライスCTを導入しており、全身を15秒程度で撮影することができますので、常に動いている心臓の冠動脈の描出にも優れています。また、当院では高精細CTも導入しており、厚さ1mm未満の断層画像を短時間で撮影することができ、通常のCT検査では描出しにくい病変や臓器の構造の評価が可能です。

  • 左:正常な頭部CT 
    右:右頭頂葉~後頭葉の皮質下出血

  • 正常な肺のCT 
    右:肺炎

  • 冠動脈CT

放射線(X線)被ばくについて

 CT検査では、人体に影響があると知られている放射線(X線)を使用します。大量の放射線に被ばくすれば、がんのリスクが高まることが明らかになっています。しかし、CT検査で使用する放射線量は、身体に影響が出ると言われる量よりもはるかに少なく、身体の必要な場所だけに必要最低限の放射線を使用しています。CT検査による被ばくが、がんのリスクを高めることについては、科学的に証明されていません。
 CT検査は、単純X線写真(レントゲン)よりも被ばく量は多いのですが、CT検査を受けることによって体内の病気を発見し、病気の状態を評価できるという利益があります。各診療科の医師は、被ばくによるリスクとCT検査によってもたらされる利益のバランスを考慮し、必要な場合にのみCT検査を行うことになっています。私たち放射線科医師や放射線技師は、患者様の被ばくが最小限になるような撮影を行うよう努めています。

造影剤について

 検査の目的によって、造影剤という薬剤を使用して撮影することがあります。
 造影剤を使用することで、小さな病変や正常組織・臓器とX線透過性がほとんど変わらない病変を描出したり、血管や各臓器、病変の血液の流れの状態を調べたりすることができ、より正確な診断が可能になります。
 造影剤は、比較的安全な薬剤ですが、副作用が生じることがあります。吐き気や嘔吐の他、アレルギー反応による発疹が多く、通常は軽度で時間の経過とともに自然に改善します。しかし、まれですが、アナフィラキシーという強いアレルギー反応により、呼吸困難や血圧の低下などの重篤な副作用が生じることがあります。こうした造影剤による副作用の予測は困難ですが、喘息などのアレルギーの既往のある方や造影剤の副作用歴のある方で起こりやすいことが知られています。造影剤を使用した検査を行う前に、患者様のご同意をいただきますが、アレルギーのある方や過去の造影剤の使用で具合の悪くなったことのある方はお申し出下さい。

  • 肝臓のダイナミックCT

  • CTウログラフィ (尿管や膀胱の評価)

ペースメーカーおよびICD(植込み型除細動器)について

 CT検査では、一部の心臓ペースメーカーで、設定が変化する可能性があります。心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方は、機種を確認しますので、ペースメーカー手帳をご提示ください。
 ICDを埋め込んでいる方は、誤動作の可能性があり、CT検査を受けられない場合がありますので、医師や看護師、放射線技師にお知らせ下さい。

妊娠について

 原則として、妊娠している方はCT検査を受けることができませんので、妊娠している(あるいはその可能性がある)方は、検査前に放射線技師や看護師にお申し出下さい。
 妊娠している方でも病気によっては、すぐに検査をする必要があります。放射線により胎児が受ける影響は、妊娠の時期によって異なりますが、妊娠15週までは、胎児死亡や奇形などを生じる可能性があります。ただし、1回のCT検査で、これらの影響が生じる被ばく量に達することはありません。

検査の流れ

受付:
●受診票を放射線部受付に提出して下さい。
●予約時間にCT検査室前の椅子でお待ち下さい。
●看護師あるいは放射線技師が順番にお呼びします。

血管ルート確保(造影剤を使用する場合):
●造影剤使用にあたり、造影剤アレルギーや喘息の既往などについて問診を行います。
●静脈ルートを確保します。

CT検査:
●担当の看護師あるいは放射線技師がCT撮影室にご案内します。
●検査部位の衣服や身体についている金属を外していただきます。場合によっては、お着替えをしていただくことがあります。
●寝台に寝ていただき、検査が始まります。

撮影終了:
●造影剤を使用した場合は、副作用がないことを確認した上で、静脈ラインを抜去し、止血を行います。
●退出して検査は終了になります。検査時間は、造影剤を使用しない場合は5〜10分程度、造影剤を使用する場合は15〜20分程度です。
●造影剤は腎臓から尿と一緒に排泄されますので、水分摂取の制限のある方以外は、造影剤を使用した後は水分を多めに摂取するようにして下さい。

CT検査の様子

CT装置

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