東北大学病院 放射線診断科

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ご挨拶

 私たち放射線診断医は、臨床の現場で行われる画像診断と画像を見ながら細い針や管(カテーテル)をからだの中に入れて手術をしないで病気を治す画像下治療:IVR(インターベンショナルラジオロジー、アイ・ブイ・アールとも言う)を担当しています。
 病院を訪れる患者さんの多くが、何らかの「画像診断」を受けます。X線を使った写真やCT、磁場を使うMRI、放射線同位元素を用いた核医学検査やPET(ポジトロンCT)検査、超音波検査などを放射線技師と協力して管理しながら、最も適切な方法で病気の情報を画像として取り出します。適切に取得された画像データを専門家として「読影」して、医学的な診断を付けることも「放射線診断医」の役割です。
 IVRも、主に画像を熟知した「放射線診断医」によって行われています。数ミリ程度の小さな傷で治療のできるIVRは、体に優しい治療法です。カテーテルで癌の栄養血管を詰めて治したり、逆に細くなった血管を拡げて治したりすることもできます。けが等で出血を起こした部位を緊急で体の中から詰めるのも我々です。これまでは手術しか治療法のなかった腎癌やホルモンを分泌する腫瘍を、CTで見ながら電流を流す針や氷玉を作る針を刺し治療できるようになりました。
 核医学は画像診断の中でもやや特殊な分野で、放射性同位元素(ラジオアイソトープ)を使います。RIの取り扱いには専門的知識が必要ですので、放射線診断医が行います。東北大学のサイクロトロンラジオアイソトープセンターと協力した先端的研究も行っています。
 最近のトピックはAI(人工知能)です。画像診断はAIとの親和性が高く、画像改善や読影補助に取り入れています。放射線診断医で本学保健学科教授の植田琢也教授の研究室(URL:https://www.cimage.med.tohoku.ac.jp/)との密接な連携の下で開発を行っています。
 当科には、30数名の放射線診断医がいて、23名は「放射線診断専門医」の資格を有しています。若手医師が専門医を目指してトレーニング中です。当科では、腕の良い、臨床に役に立つ「放射線診断医」になることを第一に、神経、頭頚部、胸部、乳腺、腹部、泌尿器、産婦人科、心血管、骨軟部、IVR、核医学、AI、の臓器別、モダリティー別の専門家をバランスよくそろえています。そのため、患者さんにはバランスのよい治療を、若手医師には放射線診断の全分野の専門的トレーニングを提供できます。
 このHPには、私たちの診療の様子や教室の雰囲気、各専門分野の紹介を掲載していきますので、ご覧いただければたいへん嬉しいです。

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