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教室だより
放射線診断科に台湾の台北医科大学からの訪問がありました。
学生教育についての情報交換の後に、放射線部を見学していただきました。コロナ禍で中断していましたが、以前には医学部学生を実習で受け入れる等の交流をしており、今後も教育関係を中心に協力していきたいと思います。
【お知らせ・お祝い】新たに9名の放射線科医が仲間入りしました!
東北大学放射線診断科は、この度、新たに9名の新入局員を迎え入れることができましたことを、喜びと感謝の気持ちでお知らせいたします。1年で放射線専攻医研修9名というのは全国的に見ても多く、当科の業績や指導体制が評価されたものと考えておりますが、当科は彼らが早く環境に慣れ、業務に取り組めるようサポートいたします。
これからも、当科は新たな仲間と共に、より良い医療、教育、研究を行い、さらなる発展を目指してまいります。どうぞ、今後とも東北大学放射線診断科をよろしくお願いいたします。
また、コラムにて、9名の専攻医が、学生〜専攻医選択までの期間、どのような経緯で東北大学の放射線診断科を選ぶに至ったか、アンケートを取ってまとめています。
https://ameblo.jp/thk-rad118/entry-12848749592.html
ぜひご覧ください。
放射線診断科では、2年生のPBL教育に参加しています。
PBLとは、Problem-Based Learningの略で、「医学研究、臨床医学の最先端のテーマで、学生に具体的事例を提示して、小グループで探求・発表してもらう」というものです。医学科2年生にとって、興味が持てる、取り組みやすいテーマを設定することが、ポイントの1つになります。今年より、「画像診断の見落としを見落としを防ぐには?」という新しいテーマを設けました。新しいテーマに学生がどのように取り組んでくれるか不安もありましたが、このテーマで発表したグループが見事、学生間の投票により最優秀賞を受賞しました。具体的な工夫にまで言及しており、日頃読影レポートを作成している我々にとっても参考になる内容でした。チューターとしてアドバイス等を行なった立場としても、とても嬉しく感じています。
2年生は、まだ臨床医学の勉強はほとんどしていない段階ですが、その中でも探究型学習を進めるお手伝いをするとともに、画像診断や画像診断医の存在の重要性に気づくきっかけにしてもらいたいと考えています。もしこれを読んでいる1年生の学生さんがいらっしゃったら、来年は「画像診断の見落としを見落としを防ぐには?」を希望選択してみてはいかがでしょうか。
R6年度 高次修練希望調査直前!今年度高次修練生アンケート結果まとめ
東北大学では医学部教育6年間の総仕上げとして、診療・研究の現場に準スタッフとして従事する選択実習期間が1期1ヶ月×6の約半年設けられ、「高次臨床修練」と言います。6年生の前期がこの期間に充てられ、各々が志望科だったり、苦手分野だったりを選択して回ります。そろそろ来年度の高次修練希望調査が行われるということで、今年度来てくれた学生さん達に記入していただいたアンケート結果を紹介します!(※研修内容は記事の下方をご覧ください。)
今年度、放射線診断科には、定員いっぱいの診断重点コース2名/期・IVR重点コース1名/期×6期の計18名の6年生が来てくれました。以下に研修後のアンケート結果を紹介します。(回答数:15)
回答してくれた15名の満足度平均は9.53点と、非常に高い点数となっています。
この満足度は、学生自身に目的意識を持って研修を行ってもらうことで高まると我々は考えており、研修開始前に自身で目標を立ててもらうよう促しています。また、それぞれの学生のニーズに可能な限り対応し、各個人の目標が達成できるよう教員側も努力しています。
研修で一番良かった点
●teaching fileシステムが素晴らしく、先生方による適切なフィードバックもいただけたので、テキスト学習のみでは得られない深い理解を得ることができました
●放射線科医が使用しているツールで読影練習ができたことが非常に勉強になった
●自由度が高く、自分の興味のあることをやらせて頂けた点と、とても丁寧に、時間をとってフィードバックを頂けた点
●今までわからなかったが、リンパ節を読影できるようになった
●脳神経に興味があるということを先生方に伝えると、ニューロの方々と繋いでくださり、そこで色々な症例を学べた
●細かいコツなども聞けた(IVRコース)
●かなり多くの手技に参加させていただけたので、とても勉強になりました(IVRコース)
これから高次修練を選択する下級生に一言
●大変充実した1か月を過ごすことができ、多くの知識を得ることができます。是非。
●楽を期待して取る科ではないです。自分で目的を持って研修に取り組めば、教材は十分提供してもらえるので良い研修になると思います。
●どんな診療科に興味があるにせよ、先生方が希望を汲みつつ基本的な疾患の読影について教えてくださるので、とてもいいと思います。
●読影の練習をしたい方はぜひ!!!!!非常に、という言葉では足りないほど勉強になりました。
●間違いなく有意義な時間が過ごせます。女子が今年はなぜかいなくて先生が悲しんでいたので女子もぜひ選択してみてください笑
●真面目に取り組めば確実に読影力が伸びること、請け合いです。最初のうちは記述できずヤキモキしますが、地道に取り組みましょう。
●試行錯誤が好きな人はハマると思います。(IVRコース)
●IVRコースでは、先生方をはじめ、看護師さん、放射線技師さん、業者さんなど、多くの方にお世話になります。気さくな方が多いので、とても楽しい実習になると思います。
放射線診断科高次修練を選択、そしてアンケートに答えてくださった皆様、ありがとうございました。建設的なフィードバックもいただきましたので、さらに楽しく実りある研修が行えるよう、我々も頑張ります。これから高次修練選択をされる5年生の皆さん、待ってます!上記のアンケートで書いてくれているように、今年はなぜか女性の学生さんがいらっしゃらなかったのですが、性別問わずお待ちしています!!(当科のスタッフ、大学院生ともに女性はたくさんいます!)
【高次修練内容紹介】
当科では診断重点コースとIVR重点コースの2つのコースを設けています。
診断重点コース:
読影ソフトの使い方、読影の仕方を教わった後、自習用コンテンツと、実際の症例を読んでみる→スタッフにチェックしてもらうことで、所見の拾い方、診断までのプロセスを体験できます。興味がある分野に応じて、呼吸器や骨軟部、心血管などの各専門家に教わることもできます。ミニレクチャーも随時行われます。
IVR重点コース:
IVRチームの一員として日々のIVRに参加してもらいます。ほぼ毎日何らかのIVRがあり、多くの症例を経験することができます。IVRの合間など、読影重点コースと共に講義を受けたり、自習用コンテンツをすすめることで読影についても学ぶことができます。
診断コース、IVRコース共通:
朝は8:20に集合し、IVRカンファレンスに出席します。診断コースの学生も興味のあるIVRがあれば、IVRコースの学生と一緒に手技に参加することもできます。また、実習期間内に1週間の外病院研修期間を設けています。外病院の研修では一般病院での放射線診断科にて、大学病院ではあまり見ないコモンな症例を経験することができます。約1ヶ月間の実習の最終日には、興味のある分野における症例や疾患をまとめて発表してもらいます。指導教官のもと、最終日にかけて読影実習と並行して準備を進めます。学生によってはその内容を発展させ、学会発表まで漕ぎ着けて、受賞した例もあります。
JSAWI第24回シンポジウム参加記 影山咲子
9月1日、2日に淡路島で行われました、JSAWI第24回シンポジウムに参加してまいりました。JSAWIは、産婦人科関連疾患の画像に関心を持つ放射線科医と産婦人科医、病理医が一同に集うシンポジウムです。当科からは、私と、佐藤先生、専攻医の臼崎先生がポスター演題を持参して参加しました。
今年は待ちに待ったオンサイト解禁で、仙台から神戸、明石海峡を越えて、一路淡路島の会場へ。
目の前に開ける瀬戸内海と青空。内陸とはうって変わって、浜風が心地よい空間です。涼やかな装いの参加者の先生方が続々と参集されました。
初日は、子宮内膜間質肉腫、子宮内膜症、腹膜播種について、翌日は骨盤うっ滞症候群、取り扱い規約の病理、胎児MRI、胎盤や臍帯についての講演があり、自身も臍帯の画像についてお話する機会を頂きました。とんでもなく緊張しましたが、様々な反応を頂き、今後につながる貴重な体験ができました。
今年は初日夜のJSAWI恒例バーベキュー懇親会も解禁となりました。夕暮れの海を目の前に、会場ホテルのテラスで、瀬戸内の海鮮、淡路牛や淡路鶏、玉ねぎをはじめとする淡路島名物を頂きながら、様々な所属先・年齢層の先生方と交流しました。今回は東北医科薬科大学の佐谷先生のほか、佐藤先生のお知り合いでもある、昭和大学系列の産婦人科の先生方とゆっくりお話しすることができました。互いの専攻医の先生方の意欲にあふれた議論に、こちらも身が引き締まる思いでした。講演だけでなく、この交流の時間がとても刺激となります。
19th Interdisciplinary Cerebrovascular Symposium (ICS2023) 参加記 後庵野大輔(流体研)
皆様、初めまして。東北大学流体科学研究所生体流動ダイナミクス研究分野(太田 信 教授、安西 眸 助教)および医工学研究科に所属する後庵野大輔と申します。御科との共同研究(高瀬 圭 教授、小黒 草太 講師)に関する発表をしたことから、本参加記を掲載する運びとなりました。2023年8月17~19日にスイスのジュネーブにて、「19th Interdisciplinary Cerebrovascular Symposium (ICS2023)」に参加してまいりました。これは頭蓋内血管に関する幅広い疾患に対して、臨床・遺伝・工学・理学などの様々な分野の研究者から研究成果を発表しあい、学際的な知見を集結させるシンポジウムです。また、参加人数が80名程度で発表会場も1つにまとまっており濃密な議論が生まれやすく、このため予定時間が全く考慮されなかったり、共同研究のきっかけとなったりしていました。
私は「Development of CFD with macroscopic particle model (MPM)for embolic particles selection」のタイトルでポスター発表を行いました。IVR治療の1つである粒子塞栓術を題材に、粒径と塞栓の関係を数値流体シミュレーションし、将来的には粒子塞栓術予測に役立てるための開発について発表しました。臨床医の方々が日々当たり前に実施している治療を、我々が工学の技術でシミュレーションをする医工連携の研究でした。質疑応答を通し、医師は具体的な現場で使えるデータを必要としているとのコメントを頂きました。シミュレーションの重要性に関して理解されましたので、今後、安全性評価や動物実験の前段階としての数値シミュレーションの重要性も広めていければと考えております。
また、私が最も興味をひかれた発表は、Prof. Charles MatoukによるeShuntに関する発表でした。これは、正常圧水頭症に対して静脈とくも膜下腔を連絡するデバイスであり、従来のVPシャントなどの外科的治療とは異なる、大腿静脈アプローチによる血管内治療でした。誰も成しえていない画期的な最先端の医療機器研究に触れることができることも国際学会参加の醍醐味であると実感しました。
開催地のジュネーブですが、初めての海外渡航の私にとっても大変過ごしやすい街でした。日本と変わらない気温でありながら湿度が低く、汗をかかない快適な気候でした。チーズフォンデュやジュネーブ産のビールなど、現地のグルメを堪能しました。
最後に、共同研究を通して種々の有意義なご助言や、今回のシンポジウム発表と参加記の機会をくださった小黒講師と高瀬教授に改めて感謝申し上げます。
第43回 神経放射線ワークショップ 参加記 穴場比奈野
7月20日(木)から22日(土)に鹿児島県で行われた第43回神経放射線ワークショップに参加してきました。神経放射線ワークショップは通常の学会とは異なり、全国の神経放射線科医が経験した稀な疾患や非典型的で診断が難しかった症例などをクイズ形式で発表するという少しマニアックな会になっています。以前にもオンラインで参加していましたが、今回は初めて現地参加しました。
会場ではホールの前に各症例のポスターが展示されています。ポスターの前で症例について議論が交わされているのを聞くことができるのは現地ならではで、大いに刺激を受けました。私も佐藤志帆先生、山森先生にご指導いただき、当院で経験した症例を報告いたしました。稀な症例ではあったのですが正答率は50%近くでした。他病院の発表も難問揃いでしたが聞いたことのないような疾患でも正答者がいて、参加者のレベルの高さに感服しました。
仙台から鹿児島へは、まず仙台空港から飛行機で福岡へと移動しました。急いで博多ラーメンを食べ、九州新幹線さくら号に乗って鹿児島へ向かい、夕方頃に到着しました。会場である城山ホテル鹿児島は歴史のあるホテルで、高台に建っているため眺めがよかったです。曇っていましたが桜島も見えました。
神経放射線ワークショップは毎年各都道府県のリゾート地で開催されるそうです。夜は焼酎を堪能しました。
現地参加者のみでも100名以上おり、多くの放射線科医と交流を深めることができ大変貴重な機会となりました。
次回の神経放射線ワークショップもぜひ現地参加をしたいと思います。