東北大学病院 放射線診断科

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第32回骨軟部放射線診断セミナー参加記 佐藤友規

専攻医1年目の佐藤友規です。常陸先生、影山先生にお供させていただき、2022年7月22~23日に静岡市で開催された第32回骨軟部放射線診断セミナーに参加しました。

一昨年、昨年はコロナ禍のためオンラインのみでしたが、今年は久しぶりに現地開催も行われ、後日配信を含めたハイブリッド開催となりました。
今年のセミナーは「小児」というテーマで開催されました。馴染みの薄い領域でしたが、この機会に多くの小児画像に触れることができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。Film readingでは青木先生、影山先生にご相談しながら頭を精一杯悩ませ、賞をいただくことができました。過分な賞に対し自分の力不足、勉強不足に悩みましたが、常陸先生の「自分一人でできることは少なくとも、置かれている環境やまわりの人の力を借りられることも先生の力のうち。まわりに相談していても、最終的な答えを決めたのは先生。」というお言葉に励まされました。先生方、今後ともご指導よろしくお願い致します。

さて、静岡まではるばる遠征した真の目的は別にあり、それは“食”でした。セミナー2日目の7月23日は土用の丑の日で、私たちは幻のうなぎと言われる“共水鰻”を食すために現地に赴いたのです。共水鰻はふわふわ肉厚で、今まで食べた鰻の中で一番美味しかったです。ほか、静岡はお茶が有名とのことで、市街で冷茶や抹茶アイスを堪能し、暑気を払いました。現地開催ならではの楽しみを味わうことができ、とても満足なグルメツアーでした。

この時期の静岡は気温・湿度が高く、仙台と比べ中々に過酷な気候でしたが、共水鰻で精をつけ無事に帰還することができました。
皆様も夏バテ、熱中症にはお気をつけください。


第35回腹部放射線学会参加記 丹内啓允

2022年6月24~25日に第35回腹部放射線学会に参加してきました。

今年は高知県立県民文化ホールで開催されました。梅雨時期で黒潮の影響もあるのか、屋外は非常に暑く湿度も高くなっておりました。夜間は道路に屋台が出ており、若干東南アジアを彷彿とさせました。

若手放射線科医向けに学会について少し説明すると、一般演題は比較的稀な腫瘍の症例報告が多くなっています。全症例で病理画像が提示され、病理の先生のコメントがあります。放射線診断科では特に初学者はCTやMRIをみて、絵合わせと暗記に終始してしまいがちですが、病理組織がわかると画像所見の理解がしやすく、バリエーションにも対応しやすいと思います。一部演題は臨床放射線に翌年まとめて掲載されたり、Abdominal radiologyに推奨されたりします。その他、スポンサードセミナーで有名な先生などが講演します。

腹部放射線学会の大きな特徴として、近年は毎年2つの大会長指定演題があることが挙げられます。今年は一方の集まりが悪かったらしく、膵のIntraductal oncocytic papillary neoplasm (IOPN)の1題のみでその分発表が多くなっていました(当科からも発表がありました)。IOPNは2019年のWHO分類でIPMN(intraductal papillary mucinous neoplasm)から疾患として独立しました。ミトコンドリアが豊富、好酸性細胞質が特徴で、画像ではIPMNよりもFDG集積が強いところが印象的でした。

来年は同時期に高瀬教授が大会長で仙台開催の予定です。
この時期でも日本は温暖化で暑くなっていますが、仙台は実際の温度以上に涼しく過ごしやすいです。
開催に向けて教授や実行委員長はいろいろと意気込んでいます。近年学会では感染症の影響で紙ポスター展示は基本的に行われずどこもサイポス化しましたが、演題の合間に紙ポスターを見るのを楽しみにしている方々も多いようです。来年は大会長以下も紙ポスターを復活させたいということなのでその点も期待したいと思います。

このような学会参加の機会をくださった医局の先生方には大変感謝しております。今回の経験を活かし、今後の研究活動により励んでいきたいと思います。ありがとうございました。
丹内啓允


放射線治療科・放射線診断科 医局説明会報告

7月13日、放射線治療科・放射線診断科の合同医局説明会が行われました。
今年も昨年同様、ハイブリッドでの開催となりましたが、現地参加17名、ウェブ参加11名(初期研修医19名、医学生9名)と、昨年を上回る多くの先生方・学生にご参加頂きました。県内の関連病院の他、県外や、他地域からご参加頂いた方もおり、ハイブリッドならではの良さも十分実感できた会になったのではと思います。コロナ禍で依然気の抜けない状況下ではありますが、今年も無事に開催でき、大変嬉しく思っております。
はじめに、診断科の高瀬教授、治療科の神宮教授から各科のご紹介を頂き、高瀬教授には放射線科専門研修プラグラムについても解説して頂きました。また、診断科の樋口先生、治療科の尾股先生には、実際の日常業務の様子、入局後の働き方の多様性などについて、赤裸々に語って頂きました。さらに、医学系研究科画像診断学の植田教授からの東北大学AI labのご紹介動画を拝聴し、AI画像診断の臨床への応用についてご教授頂きました。
ご参加頂いたその他の多くの医局員のご協力もあり、終始、和気藹々とした雰囲気で会を進行することができました。参加者には、放射線科志望の方だけでなく、進路に悩まれている参加者もおり、終了後アンケートでは、「放射線科のイメージが変わった」、「自分のペースで働くことができそう」「業務の幅が広い」などの好意的ご意見を頂きました。馴染みのない参加者にも放射線科の魅力を伝えられたことを実感でき、本会を開催した一番の収穫であったと思います。
ハイブリッド開催第2回目ということで、いたらない面も多々あったかとは思いますが、今後も積極的に当科の魅力を発信していきたいと思える、良い場を設けることができたと思います。最後に、ご多忙の中ご参加いただいた研修医・医学生の皆様、医局員の先生方、心より感謝申し上げます。(青木英和)

以下、説明会で出た診断科に関わるQ&Aの抜粋です。
・奨学金を返すために働く病院が限られます
→宮城は実績あり(研修も進めつつ、返済も進められる)。岩手でも可能ではありますが、研修プログラムを適切にアレンジする必要があるので、あらかじめ相談してください。可能であれば少し早めに相談していただけるとありがたいです。その他の県の奨学金を返済しながらのプログラムもアレンジが可能ですが、該当する都道府県の病院と連携を組む必要があるので、早めに相談してください。

・大学病院外に出た時、大学院の研究は継続できるのか
→できます。試験管を振ったり、動物実験をしたりする研究ではなく、放射線科では日々の実践に根付いた画像を使った研究テーマになることが多いです。大学院の単位はWeb上の講義を受けることでも取れます。

・収入について
→ご安心ください、十分な収入が得られます。HP上では生々しいので、詳しくはぜひ医局員に直接質問してください。

・いつ診断と治療を決めるのか
→入る時に決めてもらいますが、途中(研修1〜3年目)で変わる人もいます。4〜5年目はサブスペシャルティーのカリキュラム研修になるので、診断と治療が完全に別れた研修になります。

・都会ではなく、東北大を選ぶ理由
→都会では専攻医の受け入れ上限数が決まっていますが、宮城県にはありません。研修の内容も、東京に住めること以外に、東京じゃないと出来ないことがないです。

・県外に行かなければいけないのか
→専門医のプログラムでは東北大学病院以外での研修が必須です。今までの実績では、ほとんどが宮城県内の関連病院での研修です。研修先については奨学金の事情や専攻医の興味と適正を考慮して個別に相談にのります。サブスペシャルティー研修はカリキュラム制になるので、プログラムに記載されている病院以外の施設でも研修が可能です。大阪の循環器病研究センター等の国内留学の例もあります。


第95回日本内分泌学会学術総会参加記 丹内啓允

2022年6月2〜4日に別府国際コンベンションセンターで開催された第95回日本内分泌学会学術総会に参加してまいりました。私は「まれな右副腎静脈変異が副腎静脈サンプリングに与える影響」という演題でポスター発表さていただきました。高瀬教授らからも「原発性アルドステロン症のラジオ波焼灼治療:医師主導治験から保険収載までの経験」という発表もありました。教授は高血圧・副腎のセッションで座長も務めておりましたが、鋭いが厳しすぎない、適度な指摘をされており非常に参考になりました。

個人的に興味関心のある副腎や下垂体疾患関連のセッションのみをまわりましたが、ほぼ切れ目なく講演を聞くことができて非常に有意義な学会参加になりました。副腎関連のランチョンセミナーは一番最初に整理券配布が終わったり、席も埋まりがちで興味をもつ人が多いように思われました。AVS関連では知っていることも多いですが、他病院の先生方も疑問に思っていることや困っていることなどが端々に感じられ、文献化の重要性を感じました。また、最近の分子生物学的な知見なども得られて非常に参考になりました。

内分泌学会の教育講演は現地開催がなく、オンデマンドのみでした。放射線学会の教育講演は特に人気なものでは席があふれたり、重複してみたいセッションがみれないことも度々ありましたが、この形態は特に若手にとってはありがたく、コロナが終息しても類似形態で開催してほしいなと思いました。

このような学会参加の機会をくださった医局の先生方には大変感謝しております。今回の経験を活かし、今後の研究活動により励んでいきたいと思います。ありがとうございました。


令和4年5月20日、東北大学片平キャンパス、さくらホールにて、第53回全国国立大学法人放射線診療部門会議が開催されました。


全国の42国立大学と2つの公立大学に参加いただきました。
東北大学病院長の挨拶に始まり、放射線治療科の神宮啓一教授によるMR-Linacの紹介、中川敦寛教授による本学のバイオデザインの紹介があり、読影の質と連携についてのシンポジウム、今村文彦教授による「東日本大震災に学ぶ防災教育と災害伝承」の特別講演、文部科学省による「大学病院を取り巻く諸課題について」の講演もいただきました。



当科助教 森菜緒子のletterThe role of magnetic resonance imaging in prostate cancer patients on active surveillanceがBritish Journal of Radiologyに掲載されました。

「当科助教 森菜緒子のletter
The role of magnetic resonance imaging in prostate cancer patients on active surveillanceがBritish Journal of Radiologyに掲載されました。

毎週行なわれている昼の専攻医向けミニレク

小黒先生の骨盤部血管解剖の実践的講義です。IVR時の透視角度の設定との関連がよくわかります。シャッター音にカメラ目線になっている人がいますが、直ぐに集中を取り戻して講義に集中しておりました

当2022年第81回日本医学放射線学会総会Cypos賞ブロンズメダル受賞

第81回日本医学放射線学会総会がパシフィコ横浜で2022.04.14.~2014.04.17.に行われ,医学科6年山本泰樹さんがCypos賞ブロンズメダルを受賞しました.
他にも多数の演題発表を行いました.

多発性内分泌腫瘍症のマルチモダリティイメージング:2020年の遺伝子検査保険適応から
山本泰樹,森菜緒子,長谷川健,任海楠,麦倉俊司,高瀬圭

骨内および骨外病変に基づくMRIテクスチャ解析を用いた骨肉腫患者の予後予測能について
任海楠,森菜緒子,常陸真,麦倉俊司,高瀬圭

胸腺腫瘍リスク予測モデルの構築:欠損値補完と機械学習を用いたMRシーケンスの組み合わせの検証
清水弘明,森菜緒子,任海楠,麦倉俊司,高瀬圭

東北大学病院におけるコロナウイルス感染流行の放射線画像件数への影響
森菜緒子,清水弘明,麦倉俊司,高瀬圭

前立腺癌監視療法中の縦断的ADC値評価によるPRIAS基準逸脱予測
森菜緒子,太田瑛梨,山下慎一,麦倉俊司,伊藤明宏,高瀬圭

IgG4関連疾患のスコアリング:2020年改訂包括基準より
任海楠,森菜緒子,麦倉俊司,高瀬圭

当科の高木英誠が4月2-4日にワシントンDCで行われた米国心臓病学会(ACC 22)にてJagat Narula Awardを授与されました。


当科大学院生任海楠さんが令和3年度Takahashi Memorial Award (TMA)賞を受賞しました。


当科大学院生任海楠さんが令和3年度Takahashi Memorial Award (TMA)賞を受賞しました。同時に学位授与式の受取代表として学位記を受け取りました。2022.03.25

おめでとうございます。

当科助教森菜緖子が、東北大学医学系研究科教育貢献賞を受賞しました。


女子大学院生は、出産、育児などのライフイベントと博士号取得の両立が問題となることが多く、テーマの選択、時間配分、研究補助員の利用、学内サポートシステムの利用などの助言を行い、指導を行いました。また留学生には詳細な画像解析と統計解析の必要なテーマを段階的に与えることにより、他科とのコラボレーションを促進し論文をpublishさせました。このような大学院生教育が評価され、今回教育貢献賞を受賞しました。2022.03.16

東北大学のASCI-LIVE Labにて、当科高木英誠医師と樋口慧医師が招待講演をいたしました。司会は、当科准教授大田英揮医師が務めました。


医学科5年の清水弘明さんが,東北大学令和3年度医学部学生奨学賞(優秀賞)を受賞し,2022年1月13日授賞式が行われました。

Radiomics Prediction Model for Lymph Node Metastasis of Breast Cancer Based on High-Resolution 3D-T2 Weighted Imagesです。

学生さんの継続した研究への努力,学業成績に対して授与される賞です.清水さん,本当におめでとうございます。

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