東北大学病院 放射線治療科

患者様へ

当科の特色

がんは1981年以降死因のトップを独走しており、現在では日本人の2人に1人が一生のうちにがんに罹患し、3人に1人ががんで死亡しております。この治療の主軸の1つである放射線治療を当科は担っています。
東北大学病院の放射線治療科では、がん治療の専門医療チームが最先端の技術と知識を駆使し、患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療を提供しています。私たちは、患者さんが安心して治療を受けられる環境づくりに力を入れ、治療の効果を最大化しながら、副作用の軽減に努めています。

高度な技術と専門性

当科では、最新の放射線治療装置を導入しており、特に精度の高い照射が可能な「強度変調放射線治療(IMRT)」や、「画像誘導放射線治療(IGRT)」を積極的に採用しています。また、最新鋭のMRリニアック(MR-Linac)を用いた「オンライン適応放射線治療」も実施しており、治療中にリアルタイムで患者さんの状態を把握しながら、最適な照射計画を立てることが可能です。これにより、がん病変への精密な照射が行えるだけでなく、正常組織への影響を最小限に抑えることができます。

経験豊富な専門医とチームケア

当科の責任者である教授 神宮啓一は、これまでに20年以上の臨床経験を持ち、旧放医研重粒子医科学センター病院での診療経験も有し、様々な放射線治療に対する深い知識と経験を有しています。当科では年間約1300件を超える新規症例を担当し、特に、前立腺がん、頭頸部がん、脳腫瘍、肺がん、食道癌などの複雑な症例に対して数多くの実績があります。当科は、国内外の学会で数多くの研究発表を行っており、これまでに発表した論文はここ10年だけでも200本以上にのぼります。また、治療成績の向上と副作用の軽減においても高い成果を上げています。

当科には、放射線腫瘍学の専門医、医学物理士、放射線技師、看護師、事務職員が一体となったチームが在籍しており、それぞれの疾患で豊富な経験を持つ医師が患者さんをサポートします。専門医たちは、がん治療の最前線での研究と臨床経験を活かし、最新のエビデンスに基づいた治療方針を提案・実践します。また、医学物理士は治療計画の立案から放射線の精度管理までを徹底し、放射線技師と共に高度な技術で治療を支えます。

他診療科との連携

当科は、がん治療において他の診療科との密な連携を重視しています。特に、外科、泌尿器科、脳神経外科、婦人科、腫瘍内科、呼吸内科などとの定期的な合同カンファレンスを通じて、各分野の専門医が情報を共有し、患者さんにとって最適な治療方針を策定します。放射線治療が効果的であると期待できる症例においては、外科的治療や化学療法と放射線治療を組み合わせた集学的治療を積極的に行い、治療成績の向上を目指しています。

患者さんとご家族へ

私たちは、患者さんご自身だけでなく、ご家族の不安や疑問にも寄り添いたいと考えています。治療に関する説明や相談は、患者さんだけでなくご家族も一緒に行っていただけます。治療の内容や方針について十分な理解をいただき、安心して治療に臨めるよう、専門の医師と放射線療法認定看護師が丁寧に対応いたします。

また、治療の経過に応じて、患者さんの体調や心の状態に注意を払いながら、治療計画を柔軟に調整します。治療に伴う負担を軽減し、患者さんが快適に治療を受けられるよう努めております。

安心と信頼の医療を提供します

東北大学病院の放射線治療科では、がん治療の専門家として、患者さん一人ひとりにとって最善の治療を提供することを心掛けています。最先端の技術と、経験豊富な専門チームによるサポートで、患者さんが治療後も安心して日常生活に戻れるように全力で支えてまいります。

どうぞ、東北大学病院 放射線治療科にご相談ください。

治療設備としては以下の通りです。

直線加速器(リニアック) 3台
MRリニアック 1台
三次元治療計画装置 10台
X線シミュレータ 1台 (※現在、ほとんど使用していません)
Ir192RALS(同室CT) 1台
I125永久刺入装置 1台
放射線治療専用CT 1台