東北大学病院 放射線治療科

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体幹部定位放射線治療(SRT)

体幹部定位放射線治療(stereotactic radiotherapy; SRT)

3次元高精度放射線の発展により、比較的小さな腫瘍に対しては、様々な方向からピンポイントでX線を照射し、1回の線量を大きくし、短期間で治療を終える定位放射線治療が可能となってきました。この治療を行えるのは部位が限られるため、肝臓や肺に行われます。この治療は直径3cm程度の大きさまでがよい適応となり、12 Gy/回という高線量を、4回で終了となります。


図1:I期原発肺がんにおける定位放射線治療による線量分布図

最近では条件が合えば1回のみの治療も臨床試験として実施しています。これらは通常分割(2 Gy/回)に換算しますと、90 Gy以上の抗腫瘍効果が望めます。これによりT1腫瘍では80%程度の局所制御率が得られています(図2)。この治療では腫瘍周囲の正常組織にも高い放射線量が照射されるために、3cm以上の大きさになると重篤な合併症(放射線肺臓炎など)が起こる可能性が高くなります。


図2:早期原発性肺がんに対する定位放射線治療成績

少数であれば肺転移や肝転移にも実施しています。腫瘍の種類に応じて線量などを調整しています。