リニアック（放射線治療外照射装置）

LINAC（リニアック・ライナック）とは直線加速器（写真１）のことで、放射線治療用のX線や電子線を発生させる最も一般的な装置です。

写真１：当施設のライナック

LINAC（リニアック・ライナック）とは直線加速器（写真１）のことで、放射線治療用のX線や電子線を発生させる最も一般的な装置です。頭から四肢まで、全身のあらゆる領域の病変の治療が可能な汎用機です。当施設では3台のLINACが稼働中ですが、いずれの装置でも、ビームの出口にマルチリーフ・コリメーターと呼ばれる5mm厚金属板が並んでおり、これにより好きな形状にＸ線照射野を作ることができます（写真２）。患者を治療台にセットアップしながら透視で照射位置を確認できます。治療用のビームの出口とは90度の位置に取り付けられた透視装置（OBI：On board Imaging）により、確認画像を同時に撮影することができます。この装置のプロトタイプは当施設にて開発され、全世界に広がった経緯があります。IMRTなど特に高い精度を要求される照射法に必須となります。

写真２：ライナックからの放射線の出口にあるマルチリーフ・コリメーター

OBIで撮影した確認画像と治療計画CTの画像とを比較し毎回位置補正を行います（写真３）。写真４は前立腺癌のIMRT線量分布図です（詳細は別項目参照）。

写真３：OBIによる透視画像と治療計画CTによるDRRの照合

写真４：当施設における前立腺IMRTの線量分布図