東北大学病院 放射線診断科

HOME > 医学生・研修医の方 > 専門医取得への道 > 研修生活の実態

研修生活の実態

当科で研修を行っている若手医局員たちに実際の生活についてコメントして貰いました。


 大学院生の平日昼間の生活は、主に大学業務、外勤、研究の3つです。
私の場合は、2~2.5:1.5~2:1くらいの比率です。CT、MRI、アンギオ、核医学、治療をローテートしながら、連携病院の勤務などが挟まれていきます。
【研究】
 画像に関するものが多いため、文献やデータをいじるとき以外はなかなか家でやることが出来ないものが多く、大学での研究が主体になることが多いと思われます。
 希望に応じてですが、研究日を1日週程度は確保できるので、そこで集中して研究をすることが多いです。4年目の学位の終盤になると、まとめて休みを取る人もいます。
 家族・子供がいる場合、大学で早朝・夜間の時間帯を使うことが難しい場合もあると思いますが、できるときに研究を進める形になります。
【家庭】
 子育てをしながら学位を取る人も多く、勤務体系や外勤の形態などは比較的柔軟に対応可能と思われます。産休・育児休暇取得や家族の病院受診時の休暇などを取っている人は多いです。
 私の場合は、時折、保育園の子供の送り迎え、子供の病院受診などの際に早退や休みをもらっています。
【収入】
 大学院入学の際、収入面を心配することが多いと思います。
 医員と比べて大学の勤務時間が少なく、大学からの収入が少ない分は、昼間の外勤、時間外の遠隔読影、他院の当直外勤でまかなっています。
 放射線科入局1年目(初期研修終了直後)の最初の頃は、他院の当直外勤が主な収入源になります。頻度は希望によりけりです。週末連泊などをしている人もいます。
 昼間の外勤(読影)ですが、早い人で放射線科1年目の夏頃から始まります。指導医の下で読影を行います。時間外の他院遠隔読影は、希望によってばらつきがあります。
 社会保障費や年金、税金(確定申告)などは自分での管理になりますが、生活に問題ない程度の収入は確保できると思います。
 放射線科7年目の私は、1~2回/週の外勤読影+当直1-3回/月の当直が主体で、時折時間外読影を行っています。
 私、妻、子供3人(小学生以下)の5人家族ですが、今のところ収入面での大きな問題はありません。
 (ちなみに、当直や時間外読影を増やすことで、収入アップの対応はある程度可能です。) 



 私は現在大崎市民病院に勤務しています。学生時代、宮城県医学生修学資金貸付をいただいており、大崎市民病院は貸付金の償還免除の施設となっているためです。高瀬教授や大崎市民病院の壷井放射線部長、その他スタッフの先生方にご配慮いただき、深く感謝しております。
 大崎市民病院は宮城県北の医療の要を担っており、病床数は500床、43の診療科があります。そのため、common diseaseから希少な疾患まで幅広く経験することができます。また、大崎市民病院は東北大学病院放射線科専門研修プログラムの中で専門研修連携施設となっています。
午前 泌尿器カンファレンス
読影
IVR 読影 読影 IVR 休み 休み
午後 読影
がんカンファレンス
読影 読影 読影 読影

 一週間のスケジュールは以上の通りとなっています。読影がメインとなっていますが、IVRも件数が多く多岐にわたっており、研修環境として申し分ないと思います。
 私は一児の母であり、家事や育児と両立させながら仕事をさせていただいています。勤務時間に限りがある分、勤務時間内で工夫しながら放射線診断専門医の取得を目指し日々研鑽を積んでいるところです。(E.O.)



 私はもともと他県の市中病院で放射線科専門研修を行っていたのですが、家庭の事情で宮城県に転居することとなり、研修の途中で東北大学放射線診断科へ入局しました。半端な時期の入局でしたが快く迎えて頂きました。以前いた病院である程度の症例は経験していたので、希望に合わせて専用のスケジュールを組んで頂き、無事に放射線科専門医を取得することが出来ました。今は放射線診断専門医の取得を目指してさらに勉強中です。

午前 外勤
(市内の病院)
大学で読影 科内症例
カンファレンス
大学で読影 大学で読影 IVR当番
(待機)
休み
午後 IVR 遠隔読影 臨床科・病理合同
カンファレンス
遠隔読影

 大学勤務時の、とある1週間のスケジュールをご紹介します。大学病院では珍しい疾患や難しい症例が多く勉強になりますが、一方で一般的な疾患がやや少なく偏りがあるのが難点です。市中病院に外勤に行くことで、いわゆるcommon diseaseを経験でき、より幅広い症例を勉強できると感じています。また遠方の病院は遠隔読影にも対応しており、移動がないので効率的に時間を使えます。
 現在は、診断専門医の取得前にcommon diseaseの勉強をさらに深めたいと思い、希望を聞いていただいて国立病院機構仙台医療センターに勤務しています。臨床医とコミュニケーションを取る機会が多かったり、迅速な対応が要求される場面があったりと、急性期病院らしい経験をすることができています。(E.Y.)



 私は東北大学病院で初期研修を修了したのちに、東北大学病院放射線診断科に入局しました。まだわからないことばかりですが、先生方のご指導のもと日々勉強しています。
 2018年より機構認定の専門医制度が導入されて研修内容も変更となりました。現在私は大学病院で読影やIVRの研修を行っています。希少な症例も多いため学会発表や論文発表の内容にも事欠かず、地方会での発表や症例報告など1年目から精力的に取り組ませていただいています。私は学会への参加経験があまりなかったのですが、手厚いご指導をいただき、無事に終えることができました。
 また、現在週一回市内の健診クリニックで超音波検査と消化管透視を学ばせてもらっています。大学病院だけではどうしても症例の偏りや経験できない検査などが出てしまいますが、関連病院や連携施設での研修も行えるため、研修修了要件は問題なく満たすことができます。
 このように東北大学病院のプログラムでは豊富な症例のもと、満遍なく効率的な研修を行うことができています。(H.A.)



 もっと具体的な話を聞いてみたい方は、ぜひ医局見学にお越しください!

<< 前のページに戻る