東北大学病院 放射線診断科

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留学

シカゴ大学放射線科、乳腺部門にResearch Scholarとして留学中の嶋内亜希子です。

嶋内亜希子


2005年5月よりシカゴ大学放射線科(http://radiology.uchidago.edu/)、乳腺部門にResearch Scholarとして留学中の嶋内亜希子です。

シカゴはイリノイ州にある米国第3の都市、中西部では最大の都市でして、緯度は日本の函館とほぼ同じです。東側にはミシガン湖が広がり、夏場は湖水浴を楽しむ人々も見かけますが、寒さの厳しい冬には湖が凍りつくこともあります。

乳腺部門のスタッフは教授2人、阿部裕之先生を含めた常勤の先生が2人でして、現在Clinical Fellowの先生が2人属しています。ここ数年Fellow応募者が定員を上回ったり、内部の放射線科Residentからも応募者が出るなど、以前は訴訟が多いという印象があり敬遠されがちであった乳腺部門の人気回復ぶりが伺えます。また、最近American Cancer Societyの新ガイドラインにて乳癌の高リスク女性に対するMRIによるスクリーニングが推奨されたこともあり、乳腺画像診断、特にMRIの重要性がさらに高まっていると言えます。

乳腺部門において最も日本での現状と異なる点は、放射線科自身のクリニックがあり放射線科医が直接患者を診(アメリカでも施設により差があるようですが)、画像診断から生検、切除範囲を決めるためのLocalizationなど治療方針により深く関わるということです。私は臨床面においては乳腺MRIの準備や読影、他科との合同カンファレンスの準備などに関わってきましたが、国家試験に合格すれば同じ職場にてClinical Fellowとして働かせてもらえることとなり、2007年秋開始を目標として目下試験勉強にも精を出しているところです。

研究に関しては、3000人分程もあるBreast MRIのデータベースを利用した臨床研究をすると共に、新しいMRIの撮像法なり様々なモダリティのCAD(computer-aided diagnosis) Systemを開発する研究者の方々とも日常的に関わることができますので、視野を広げられる良い環境に恵まれているといえると思います。

Clinical Fellowとして働きだしますと今までとはまた違った困難に遭遇することと思います。東北地方で培った粘り強い性格(もともとという話もありますが、作成者注;彼女は水戸一高出身です)を活かして新たな課題を乗り越えて行きたいと思っております。

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