東北大学病院 放射線診断科

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学会参加記

第11回欧州分子イメージング学会 参加記:高浪 健太郎

第11回欧州分子イメージング学会


第11回欧州分子イメージング学会(11th European Molecular Imaging Meeting: EMIM) が2016年3月8日から10日にかけてオランダのユトレヒト(Jaarbeurs congress center)にて行われました。MRI、核医学、光イメージング、超音波などのモダリテイと様々なプローブを用いた、前臨床から臨床までの新しい画像診断法・治療法が発表されていました。心臓領域では、患者を対象とした血管新生阻害剤による心筋障害のFDG PETによる評価やGa-68標識PETトレーサーを用いた心筋血流評価、動物を用いた肺血圧症の右室心筋の代謝評価等、基礎から臨床まで幅広い演題が見られました。その他、エラストグラフィーを用いた心筋の弾性の評価、キレートしたガドリニウムとpH依存性に分離するゼオライト化合物を用いて、組織や腫瘍内のpHをMRIで画像化する方法等、動物実験段階ではありますが、非常に興味深い演題が多かったです。

 私は、当院放射線治療科の先生方との共同研究(Evaluation of the relationship between radiation dose to the heart and myocardial fatty acid metabolic impairment due to chemoradiation-therapy using I-123 BMIPP)のポスター演題を発表しました。これは放射線化学療法における心筋の照射範囲と心筋の脂肪酸代謝障害の相関を検討したものです。近年の放射線治療成績の向上に伴って放射線心筋障害が注目されており、核医学トレーサーを用いた分子イメージングがその早期診断の手がかりとなる可能性を示しました。他の参加者と、放射線治療以外の影響等についてディスカッションしました。

 ユトレヒトはミッフィー(現地ではナインチェと呼ばれています。)が生まれた町で、町の所々に見ることができました。

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