HOME > 子宮動脈塞栓術について
子宮動脈塞栓術について
子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(Uterine Artery Embolization:UAE)とは、子宮筋腫の治療法のひとつで、血管内から病変に対してアプローチする方法です。この手術は、子宮筋腫の栄養源となる血管に対して、塞栓物質(粒子やゼラチンなど)を注入して閉塞させることで、子宮筋腫の縮小を促すもので、保険適用となっています。・適応症状

月経困難症(痛みや過多出血)
貧血
頻尿や便秘
腹部の膨満感や圧迫感
・除外基準
絶対的禁忌は、妊娠中、骨盤内の活動性炎症、子宮または付属器の悪性腫瘍またはその疑いとなります。相対的禁忌として、凝固能異常、重度のヨード造影剤アレルギー、腎機能障害などがあります。感染を危惧して子宮内避妊用具(intrauterine device: IUD)の存在や骨盤への放射線治療の既往、治療効果の低下を懸念して最近の偽閉経療法治療歴なども適応外となりえます。その他、子宮筋腫の場所や大きさによっても適応外となることがあります。また、原則として将来妊娠を希望する方は対象となりません。
・治療効果と再発率
圧迫症状の軽減は 88-92%で、不正性器出血の消失は 90%以上で見られ、75%で症状が消失すると言われています。また、筋腫核出術などの手術に比して、再発率が高いと言われています。・合併症
塞栓後の発熱や疼痛は必発で、39度程度まで発熱することがあります。痛みは1-2週間程度続きますが、徐々に改善します。また、動脈穿刺部の出血、深部静脈血栓症および肺動脈血栓塞栓症の他、慢性的なおりもの、治療した筋腫が腟から出てきてしまう筋腫分娩、子宮および付属器の感染、卵巣機能不全が起こりえます。さらに、子宮壊死、腸管穿孔、腸閉塞などの合併症の報告もあります。死に至った重篤な合併症も非常に稀ですが、存在します。外科的ドレナージや経腟的筋腫切除術等の処置が行われ、最終的に子宮全摘術が必要となることがあります。どうしても子宮全摘を容認できない方は、子宮動脈塞栓術を行うことはできません。
45 歳未満では 0~3%、45 歳以上では 20~40%に無月経を来すと報告されています。
・塞栓術の流れ

塞栓術が終わったら、患者さんは短期間の入院が必要です。通常、 塞栓術後の経過観察が無事に終われば、数日後に退院できます。
・外来予約方法
当病院で子宮筋腫塞栓術を受けるには、以下のステップに従ってください。まず、当病院以外の病院・クリニックの婦人科を受診し、紹介状を作成してもらってください。その上で、放射線診断科外来の予約を取得してください。予約を取得する際は、紹介元医療機関から直接、地域医療連携センターへご連絡いただくようお願いいたします。
東北大学病院 地域医療連携センター
0120-201273

治療前に必要な検査や説明を受けた後、塞栓術を行います。
・紹介状の無い方へ
メールや電話での無料相談は行っておりませんので、ご了承ください。原則として、紹介状をお持ちください。事情により、どうしても紹介状が取得できない場合は、放射線診断科の外来を予約してください。
患者さんご本人が直接、東北大学病院 代表 022-717-7000へ電話をし、放射線診断科外来につないでください。
放射線診断科外来は月1回程度、不定期に行われます。お電話で空いている枠の日程をご確認ください。
また紹介状無しで東北大学病院を受診する場合、所定の初診時選定療養費を払って受診して頂くことになりますので、ご注意ください。
https://www.hosp.tohoku.ac.jp/release/news/34607.html