東北大学病院 放射線治療科

医学生・研修医の方へ

当科の卒後教育

2017年度後期研修開始の医師から専門医取得の方法が大きく変わり、日本専門医機構の認定制度となります。放射線医学分野では、「放射線科」を基本診療領域とする「放射線科専門医」をまず目指していただきます。放射線科領域での専門医はいわば2階建てのようになっており、基本領域である「放射線科専門医」が1階部分、「放射線診断専門医」または「放射線治療専門医」が2階部分となります。

放射線科専門医(1階部分)を目指す後期研修は、機構認定の放射線科専門研修の専攻医として、1つのプログラムを選択して応募・登録後に研修を開始することに成ります。
東北大学では「東北大学病院放射線科専門研修プログラム」を作成いたしました。日本を代表する大学の1つである本学と関連の活力ある総合病院や疾患に特色のあるセンター的病院がチームを形成して、たいへん充実したプログラムになったと考えております。東北大学病院内では、私と放射線治療科の神宮啓一教授が協力して放射線診断と治療の基本および最新の知識を教育致します。多くの専門指導医がそれぞれのサブスペシャリティーの深い知識を基に皆さんを指導致します。

3年の上記プログラムでの研修後に「放射線科専門医」を取得していただきます。その後は、放射線診断・IVR、あるいは放射線治療のいずれかを選んで2年の規定の研修を行い、さらに専門制の高い「放射線診断専門医」または「放射線治療専門医」(2階部分)を目指すことになります。

放射線科専門医試験に必要な、放射線診断・IVR、および放射線治療を研修

放射線治療専門医の教育方針

責任者 放射線治療科教授 神宮啓一

東北大学病院放射線治療科では各診療科と連携した実臨床を徹底的に学ばせる方針としています。近年流行の高精度放射線治療の放射線治療計画はもちろん、従来の2次元、3次元放射線治療を基礎から学び、その生物学的・物理学的側面を自科の病棟で担当する中で学んでもらいます。総合的かつ先進的な放射線治療医の育成を心がけています。

当分野の魅力は以下の通りです。

1.最先端の医療技術に触れられる環境

東北大学病院では、放射線治療の最新技術を用いた治療が行われています。特に、MRリニアックを用いたオンライン適応放射線治療や画像誘導hybrid小線源治療、新規薬剤を用いたRI内用療法など、全国でも限られた施設でしか提供できない高度な医療を学びながら経験することが可能です。

2.充実した教育プログラム

専攻医には、基本的な臨床知識から最新の治療法まで、段階的に学べる教育プログラムが用意されています。また、定期的なカンファレンスや症例検討会では、先輩医師や教授たちから直接指導を受けることができ、実践的なスキルを磨くことができます。

3.多職種との連携とチーム医療

放射線治療では、多職種の医療スタッフとの連携が重要です。東北大学病院では、放射線技師、看護師、医療物理士など、多職種が一丸となって患者さんの治療に取り組んでいます。研修を通じて、多職種とのコミュニケーション能力やチーム医療の大切さを学ぶことができます。

4.研究活動へのサポート

東北大学は、臨床だけでなく研究活動にも力を入れています。放射線腫瘍学分野では、新しい治療技術の開発や、放射線障害の研究、ビッグデータを用いた統計解析など、幅広いテーマに取り組んでいます。東北大学病院は臨床研究中核病院に指定されており、金銭面だけでなく、研究のサポート体制も整っており、興味のある領域で積極的に研究活動に参加することが可能です。

5.留学やキャリアパスの支援

当分野では、国際的な視野を広げるための留学も奨励しています。海外の大学や研究機関との連携により、留学の機会が提供されており、世界最先端の研究や技術を学ぶことが可能です。また、キャリアパスについても、多様な選択肢が用意されており、臨床医、研究者、教育者としての道を進むためのサポートが整っています。卒業後の進路についても、豊富なネットワークを活かして、国内外でのキャリア形成を支援します。

6.温かな指導と支援体制

当分野では、経験豊富な医師たちが、専攻医一人ひとりの成長を温かくサポートしています。臨床の現場での疑問や不安についても、気軽に相談できる雰囲気があり、安心して学ぶことができる環境が整っています。

このように、東北大学放射線腫瘍学分野では、高度な医療技術の習得と、多職種との連携、充実した研究環境、国際的なキャリア支援を通じて、放射線治療のスペシャリストとして成長できる機会が広がっています。