東北大学病院 放射線治療科

研究活動について

学会参加録 2024年

米国臨床腫瘍学会(ASCO2024)参加印象記

東北大学大学院医学系研究科放射線腫瘍学 神宮 啓一

2023年11月30日~12月1日

2024年5月31日よりシカゴのマコーミックプレイスで開催された米国臨床腫瘍学会に参加してきました。
今回は当施設で行っておりました特定臨床研究(食道癌術後再発に対するCRTの前向き試験)の結果が出ましたので、そちらが演題採用されましたので報告してきました。一度ASCOなるものを体験したいと演題登録しました。確かにASTROよりも大きい印象ではありましたが、RSNAよりは小さいかなという印象でした。あまり口頭発表のセッションはなかったようですが、ポスター発表がASTROよりも工夫されている印象で、毎日午前と午後に張り替える形で多くの演題に来場者とのディスカッションの機会を与えているようでした。ポスターセッションの間は他のセッションはなく、大変多くの方が参加しているようでした。

今回、自身の演題としては特定臨床研究として長く実施していた食道癌の術後再発に対するDCF-RTの第2相臨床試験の結果が出ましたので、報告してきました。大変よい結果となり、想定を大幅に上回るプライマリーエンドポイントとなりましたので、今後第3相臨床試験にと思っておりますが、以下にも記載しましたが、術前化学療法が大きく変わってきていたり、術後のICI療法も実施されるようになっており、再発後の治療もそのまま通用するかなど医療の発展速度に驚愕するこの頃です。この結果はJASTRO総会でも発表を予定しておりますので会員の皆様もお聞きいただければ幸いです。

今回の旅費は歴史的な円安の影響をモロに受け、とてつもない金額となったと思われます。いつまでこんな状況が続くのか、またこの状況ではますます日本人が海外の学会に行かなくなるのではと心配になりました。