東北大学病院 放射線治療科

研究活動について

学会参加録 2016年

日本放射線腫瘍学会第29回学術大会 参加報告

助教 山本 貴也

2016年11月25日~27日

2016年11月25日~27日にかけて京都で行われた日本放射線腫瘍学会第29回学術大会に参加してきました。秋の京都ということで街中は多くの人で溢れておりました。私は幸いにも京都市内に宿を確保することができ、会場へのアクセスなども良好で助かりました。

年に一度の大会ということで、シンポジウム、口演発表、教育口演などどれも魅力的なセッションばかりでした。同時刻に聞きたいセッションが複数あったりして悩ましい程でした。

また私自身も肺定位照射後の肺炎に関する講演発表をさせて頂きました。気腫性変化と肺炎に関する、日常診療でもちょっと気になっていることを形としてまとめたものです。発表後には高名な先生からもご質問を頂き、少しは面白い発表が出来たのかなと思っております。

更に当科からは神宮教授が開会式に続いて行われた特別企画1のJASTRO将来像にて演者・座長を務められましたし、前任教授の山田章吾先生がゴールドメダル受賞、記念講演をされました(写真)。その他にも口演発表を石川先生、高橋先生、田坂先生、武田先生が行い、物理部門からも角谷先生と大学院生の高山先生、阿部先生、家子先生、昆先生、池田先生が口演発表を行いました。

多忙な日常診療の合間を縫って研究成果をまとめた先生方お疲れ様でした。また大学病院にとんぼ返りしてスタッフが不在の分まで快く働いて下さった先生方、どうもありがとうございました。

 

第135回北日本医学放射線学会北日本地方会参加禄

助教 高橋 紀善

2016年10月28日~29日

今回、2016年10月28-29日に仙台市で行われました北日本医学放射線学会地方会に参加してまいりました。

私は「胸部食道癌に対するFDG-PET/CTによる予後予測検討」という演題名で発表させていただきました。以前から調べておりますPETでのmetabolic tumor volumeとtotal lesion glycolysisを用いた予後予測研究を食道癌において調べさせていただき、報告させていただきました。懇親会では大変光栄なことに優秀演題賞を頂きました。ご指導いただいた神宮教授、また東北大学において食道癌治療に従事していただいた多くの同門の先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。

今回の経験をもとに今後の臨床と研究に精進していこうと思います。

 

ASTRO(アメリカ放射線腫瘍学会) 58th annual meeting参加録

教授 神宮 啓一

2016年09月25日~29日

2016年9月25日~29日までボストンで開催されました恒例のアメリカ放射線腫瘍学会に参加してきました。私はボストンは初めてでしたが、空港からダウンタウンまでとても近く、また街並みもクラシックな雰囲気でとても美しい都市でした。丁度、レッドソックスが地区優勝を決めた時でしたが、残念ながら遠征先での決定でした。しかも、勝ち試合の最後にサヨナラホームランを打たれて負けたけど優勝が決定という、微妙な夜でした。

学会場はとても大きく、会場から会場へ移動するのも大変でした。面白い演題もいくつか見られました。
残念ながら私はポスター発表でしたが、いくつかの口演を拝聴しましたが、全く劣らない、むしろ優れている内容だろうと思えました。今回の演題名は「Results of stereotactic ablative radiotherapy for pulmonary oligometastases from colorectal cancer in Japan: a multi-institutional survey study of the Japanese Radiation Oncology study Group (JROSG)」でした。JROSGより海外出張旅費をいただいての発表でした。本研究に関係いただいた全ての方々、まことにありがとうございました。

来年はサンディエゴということでした。今回、JASTRO night in ASTROにて、JASTRO理事長の西村先生よりASTROに参加している日本人が漸減していると伺いました。大変嘆かわしいことです。若い先生の一層の奮起に期待いたします。


ポスター会場の様子

 

第18回日本放射線腫瘍学会 夏期セミナー

大学院生 鈴木 友

2016年08月06日~07日

2016年8月6~7日に名古屋にて行われた第18回 放射線腫瘍学 夏期セミナーに参加して参りました。参加者は約500人と過去最大で非常に活気のあるものでした。

今回のセミナーでは各臓器別のエビデンスに基づいた最新の知見と共に、医学統計、放射線生物学、支持療法など幅広い領域の講演が行われました。各講演の内容は充実しており、1回で理解するには難しい程でした。

私は今年から後期研修を開始しました。基礎から最新の知見まで学ぶことは多いと良い刺激を受けました。これからしっかりと学んで行きたいと思います。
また、名古屋のひつまぶしや味噌かつ、名古屋コーチン、ういろうも堪能し非常に充実したセミナーとなりました。

最後に、休日の大学の業務の調整等を行って頂いた医局の諸先生方に深くお礼申し上げます。

 

AAPM2016参加録 その2

博士課程 大学院生 新井 一弘

2016年07月31日~08月04日

2016年7月31日~8月4日にアメリカのワシントンD.C.にて開催されました、AAPM (American Association of Medical Physics) 2016 58th Annual Meetingに参加してまいりましたので、ご報告させていただきます。私たちの医学物理からは、角谷先生、伊藤先生、勝田さん、宮坂さんと私の5名で参加しております。また、私は仕事の関係上8月1日からの参加となりました。

私は、「Feasibility of CBCT-based proton dose calculation using a histogram-matching algorithm in proton beam therapy」という題名で口頭発表を行いました。放射線治療期間中には、体系の変化や臓器の移動などが発生するため、同一プランでの照射継続が好ましくない場合があります。そのため、CBCTを用いて照射直前に撮影を行い、患者の状態把握や画像照合に使用するのみではなく、線量計算や線量評価が行えることが望ましいです。しかし、治療計画用CTとCBCTでは散乱線やアーチファクトの影響の違いによるCT値の差があるため、線量計算が正確に行うことができないという問題があります。特に陽子線治療では、線量集中性が高く、CT値の変化が飛程に大きく影響を与える可能性があります。本研究では、CBCTのCT値をヒストグラムマッチングという方法で治療計画用CTに合わせこみ、修正CBCT画像を作成しました。これにより、CBCTのCT値が全体的に治療計画用CTに近いものとなり、陽子線治療における線量計算精度の向上がみられました。初めての英語での口頭発表で、発表中はとても緊張していましたし、質問にも答えられるかどうか不安でしたが、難しい質問ではなかったためなんとか乗り切ることができました。
しかし、やはり英語学習の重要性については痛感させられましたし、英語で話す練習はしていかなければならないと感じました。

また、機器展示のブースでは、角谷先生に連れて行ってもらい、ViewRay社のブースにて、コバルト線源とMRI装置を搭載することで、照射中に連続的にMRI撮影を行うことができる装置について教えて頂いたり、本間先生の研究室の方やメーカーの方々との交流の場もあり、大変勉強になりました。

私は海外に一人で行くのも初めてでしたし、飛行機の乗り継ぎなどもかなり不安でしたが無事現地に到着でき、無事帰国することができました。実際には行きの飛行機も乗り継ぎの時間が足りずに後続の飛行機に乗ることになりましたし、帰りの飛行機はワシントンからデトロイトまでの国内線の遅延の影響で次の成田空港までの国際線の飛行機に乗れず、デトロイトでもう一泊しなければならなくなるなど、かなり大変な思いをしましたが、いい社会勉強になったと思います。

最後に、このような機会を与えて下さった先生方、また、神宮先生をはじめとするご支援頂きました先生方にこの場をお借りして厚くお礼申し上げます。

 

AAPM2016

東北大学大学院放射線腫瘍学分野 助教 角谷 倫之

2016年07月31日~08月04日

2016年7月31日~8月4日にアメリカのワシントンで開催された米国医学物理学会(AAPM)に、我々医学物理グループからは、角谷、伊藤、新井、勝田、宮坂の5名で参加致しました。また、共同研究グループであります本間先生の研究室からは、本間先生、ポスドクの市地さん、修士2年の内田君、修士1年の鈴木君の4名で参加し、東北大学からは合計9名で参加して、発表も合計7演題ありこれは日本からは1番か2番目に多い発表数かなと思います(図1)。

私は、「Multi-Institutional Validation Study of Commercially Available Deformable Image Registration Software for Thoracic Images」という内容で口頭発表しました。近年、DIRを搭載したソフトウェアが普及しはじめてきていますが、そのDIR精度がソフトウェアや使用方法によってどの程度変わるかについてははっきりとしたエビデンスがありません。そこで我々は国内の11施設の多施設共同試験を実施し、胸部領域での市販DIRソフトウェアのDIR精度のばらつきを初めて定量評価しました。結果はやはりDIRソフトウェア、DIRパラメータによってDIR精度が変化することを明らかにしました。この結果より、DIRソフトウェアを搭載した市販ソフトウェアを臨床利用する際は、各施設が部位ごとに最適なパラメータをコミッショニング時に探索する必要があると言えるかと思います。詳しい結果は、ちょうどIJROBPに掲載されましたのでそちらをご覧ください。学生の発表については、修士2年の宮坂君はoralでの発表となり、その発表に向けて自主的に週一回英語で話す授業も取り、また私とも英語での発表練習を精力的に何度も行いました。その成果が実り本番でも上手く発表でき、質問もきちんと答えられていましたので一安心しました。大変お疲れ様でした。

また、今年もAAPMでの発表以外にもいくつか発表があり、まず初日の夕方にMIMのuser meetingで上述しましたAAPMで発表する予定の多施設共同試験の結果とMIMに搭載されていますuser-guided DIR toolであるReg Refineを用いたstudyも追加で行いましたので、それについて20分ほど講演致しました。海外で学会以外での講演は初めてでしたのでだいぶ緊張しましたが無事終わることが出来ました(図2)。

今年もVarianとの研究打ち合わせが1時間ほどあり、昨年度から研究申請を行っていますマーカーレスMLC追尾照射がどの程度臨床的に有効であるかを4D planningを用いて評価するという研究について、ここ1年間での研究成果を15分ほどのプレゼンで説明し、本間先生のグループも同様に研究成果を発表しました。今回の発表を通して、現在申請中のgrantも無事採択されることを祈るばかりです。。

後、我々が積極的に臨床利用を進めています4D-CT ventilationについてもUC-Davisの山本先生、Sydney大学のDr. Kipritidisとも打ち合わせを行い、今後の共同研究の内容を具体的に決定しました。現在、米国ではこの4D-CT ventilationを用いた臨床試験がちょうど3つ動きはじめたようです(UC Davis, Colorado Univ, Wisconsin)。

今年のAAPM全体の印象としましては、Big dataの利用、つまりmachine learningやdeep learningなどの研究が注目されていた印象を受けました。AAPMに来て、他国の研究者との情報交換やAAPMでの発表を見ると、さらに今後の研究の活力が湧いてきて、引き続き臨床に役立つようなインパクトがある研究を行えるように努力していきたいと思いました。
あまり学術的ではないですが、初日に少し時間があったので会場から徒歩で15分くらいの所にホワイトハウスがありましたのでそこに伊藤君、宮坂君、私で行きました。そこですごい人だまりがありなんかデモでもやっているのかなと思いましたが、そこには“Pokémon GO”と書いた横断幕を持って多くの人が黄色服を着て集まっていました。ここでもポケモンGo人気はさすがだと思いました。。(図3)。

不在の間に医学物理業務をサポートして下さった医学物理メンバーの皆様ありがとうございました、この場を借りて御礼申し上げます。

 
図1 東北大学メンバーの写真   図2 MIM user meetingの
会場写真
図3 ホワイトハウスの隣の建物での写真
(ホワイトハウスではないです。。)

 

第70回日本食道学会学術集会に参加して

大学院生 高橋 紀善

2016年07月05日~06日

今回、2016年7月5日~7月6日にかけて第70回日本食道学会学術集会に参加してまいりました。食道学会には初めて参加したのですが、他施設の外科の先生方の研究や最近の話題を拝聴することができ大変勉強になりました。私はポスターでの発表だったのですが、同じようにPETを使って研究を使っている先生方とも意見を交換することができ今後の研究に生かしていきたいと思います。

また、この場をお借りして不在中に日常業務を担当していただいた先生方に感謝申し上げたいと思います。また日頃からご指導いただいた神宮先生に感謝申し上げます。

また、学会上で写真を撮り忘れてしまいましたので、自宅で写真を再現してみました。

 

第134回日本医学放射線学会北日本地方会参加録

大学院生 武田 一也

2016年06月18日

2016年6月18日に北海道札幌市で開催された第134回日本医学放射線学会北日本地方会に参加させていただきました。

今回私は「Ⅲ期食道癌CRTにおける血液検査データと予後との関連」という演題で、Ⅲ期食道癌に対する化学放射線療法における血液検査データの解析の結果を報告して参りました。統計解析や発表の構成などで苦労しましたが、発表では優秀演題賞をいただくことができ、大変光栄なことと感じています。これも一重に、神宮教授を始めとする諸先輩方に研究デザインから結果の提示方法まで的確なご指導を頂きましたお陰です。今回の発表や質疑応答を通してより一層研究内容を深めることができましたので、今後は論文化に向けて取り組んでいきたいと思います。

また他施設からの発表では、それぞれの施設毎に特色ある演題が出ており、大変勉強になりました。特に今年は寡分割照射、陽子線治療、重粒子線治療、BNCTなど新規の放射線治療技術に関する報告が多く、より一層勉強していかなければとの思いを新たにしました。

学会前後の時間には、ジンギスカン、カニ鍋、スープカレーと、北海道グルメをたっぷり満喫してきました。また、今回は研修医・医学生の方々にもセミナーや学会に参加いただき、放射線治療の魅力を伝えることができたと思います。

 

ESTRO(ヨーロッパ放射線腫瘍学会) 36th annual meeting 参加報告

武田 一也

2016年05月05日~09日

2016年5月5日~9日にオーストリアのウィーンで開催されたESTRO 36に参加してまいりました。
初日の5月5日には各分野ごとの教育講演が開催され、私はこのうち放射線生物学のセッションに出席しました。ここでは各領域の第一線の研究者の方々から講義形式で発表が行われ、各国からの多くの研究者が聴講に集まっていました。特に今回はmiRNAやcirculating tumor cellなどの新しい知見や、そういった大量のデータをいかに研究に取り入れていくかといった方法論についての興味深い発表があり、フロアからも質問が相次いでいました。

6日からのセッションでは、現在大学院で研究テーマとしている放射線生物学と画像解析のセッションを中心に口頭演題や要望演題を聴講してきました。放射線生物学のセッションでは基礎生物学の所見と臨床医学との懸け橋となるような内容の発表もあり、大いに刺激を受けました。また画像解析のセッションでは、海外からの多施設研究の結果が発表されており、今後の研究をすすめる上で大変勉強になりました。私自身はe-posterセッションで「Texture analysis of 18F-FDG PET/CT predicts local control of stage I NSCLC treated by SBRT」という演題で、早期肺癌に対し定位放射線治療を行った患者群におけるPETの画像解析に関する研究を発表してきました。

また、学会最終日にはウィーン医科大学の放射線治療施設を見学する機会を頂き、最新の治療機器や日本との治療方針の違いを学ぶことができ大変勉強になりました。

学会期間中、セッションの合間にはウィーン市街を観光する機会もありました。ウィーン中心部は歴史的建造物が集中したコンパクトな美しい街で、またウィンナーシュニッツェルや、ザッハートルテなど食文化も充実しており、楽しいひとときをすごすことができました。

最後になりますが、今回の発表にあたりご指導いただきました神宮先生、高浪先生をはじめとする諸先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。

 
学会場正面入り口   e-poster発表会場にて

 

第75回日本医学放射線学会総会

大学院生 高橋 紀善

2016年04月14日~17日

2016/4/14-4/17に開催されました第75回日本医学放射線学会総会に参加してまいりました。
今回は大変名誉なことにシンポジウム2「放射線治療技術の進歩-分子イメージング・分子生物学の貢献-」での発表をさせていただきました。

内容はこれまで研究していたPET検査でのSUVmax以外のパラメーターを用い放射線治療の予後予後予測が可能かについて発表させていただきました。
17分の発表であり、これまでそれほど長く発表したことがありませんでしたので、当初は無事に発表できるか少し心配なところもありましたが、神宮先生を始め医局の先生方のご指導のおかげで無事終えることができました。今回の経験をもとに今後の臨床と研究に精進していこうと思います。

最後にこの場を借りまして、お忙しい中ご指導いただいた神宮先生、医局の先生方、また大学に残り日常業務を行っていただいた先生方に深く御礼申し上げます。

 

2015年度宮城県がん診療連携協議会放射線部会研修会参加録

東北大学医学系研究科放射線腫瘍学分野 教授 神宮 啓一
放射線治療部会長

2016年03月26日

2016年3月26日
例年行っている恒例の研修会を石巻赤十字病院講堂で開催しました。例年は仙台駅周辺で行っておりますが、今年度は県北の放射線治療施設のことを考慮し石巻地域で行いました。会場の用意など行っていただきました石巻赤十字病院放射線治療関係各位へ御礼申し上げます。

今回は外部からの講師の招聘は行わず、放射線治療部会メンバーに行ってもらいました。
第1部では小生によるJROSG消化器委員会で実施した大腸/直腸がん由来の肺転移に対する定位放射線治療に関する研究結果の報告をいたしました。
第2部では大崎市民病院医学物理士の安藤先生より放射線治療装置のQA/QCに関する講演をいただきました。来年度以降、宮城県内では放射線治療機器の更新をする施設が続くことから受け入れ試験やコミッショミング試験をどのように行うか、また日常のQA管理についてなど多くのことを学びました。会場からは多数の質問もあり、闊達な質疑応答が行われ、有意義な会でした。

今年度の勉強会にはがん診療拠点病院のみならず、仙台市立病院や気仙沼市立病院の方々も参加いただき、計38名となりました。宮城県全体の放射線治療のレベルアップに今後も努めていきたいと思います。

 

 

The 3rd GI-CoRE Symposium参加録

大学院生 武田 一也

2016年03月03日~04日

2016年3月3日~4日にかけて、北海道大学で開催されたThe 3rd GI-CoRE Symposiumに参加してきました。GI-CoREは、北海道大学とスタンフォード大学の合同で運営されている国際研究・教育機構であり、本シンポジウムも演題や進行はすべて英語でさながら海外学会のような雰囲気でした。

演者の先生の半数はスタンフォード大学を始めとする海外からのご参加で、各大学で進められている研究に関する報告や、放射線生物学に関する講演が行われました。新しい照射方法や併用療法など、次世代を見据えた治療に関する演題もあり、大変刺激的な内容でした。

私はポスター部門に演題を提出し、大変光栄なことに優秀演題賞を頂きました。1日目の午後に設けられたポスターセッションでは、研究・展示内容について他大学の先生方と研究の内容についてディスカッションを交わしました。また、他の先生のポスター発表から得るところも多く、今後の研究に向けて示唆を得ることができました。

セッション外の時間では、北大の先生にスープカレーのお店を案内して頂いたり、懇親会で海外の先生とお話させていただいたりと、楽しい時間を過ごすことができました。

今回の経験を活かし、今後の臨床や研究に邁進していきたいと思います。

 

 

第29回高精度放射線外部照射部会学術大会参加録

教授 神宮 啓一

2016年02月27日

2016年2月27日に東京にて行われました第29回高精度放射線外部照射部会学術大会に参加してきました(図1)。大変盛況で予想参加人数を大幅に上回る700名以上の参加者ということでした。今年の当番世話人は東京大学の中川先生でした(図2)。さすがに東京大学さんだという感じの中身のよくよく練られた内容でとても充実していました。がんサバイバーの方や衆議院議員の先生、厚労省の方がシンポジウムにてお話されました。普段の学会ではなかなか聞けない話が伺えました。学術研究発表もどこの施設も懸命に自施設の放射線治療を改善しようとされているのがよく分かる内容が多かったです。小生が座長を勤めた「adaptive radiation therapy」もadaptiveが大変重要であることがわかる内容でしたが、現在のマンパワーでどこまで対応できるか悩ましいところであると感じました。

懇親会もとてもおいしい料理も出まして大変盛況でした。

来年はわが医局が当番世話人となります。仙台では地下鉄東西線の開通で仙台国際センターまで仙台駅から4分で行けるようになりましたので、皆様お誘いあわせの上ご参加ください。医局員一同で準備して参ります。どうぞよろしくお願いします。

 
図1   図2

 

新潟大学・東北大学合同 放射線治療・医学物理セミナー

伊藤 謙吾

2011年06月03日

1月30日(土)に新潟大学で開催されました新潟大学・東北大学合同の放射線治療・医学物理セミナーに参加させていただきましたのでご報告させていただきます.東北大学からは,医学物理グループ12名(職員:3名,博士後期課程:4名,博士前期:5名),医師4名の計16名が参加し,非常に大所帯での参加となりました.

会場である新潟大学医学部は私が卒業した母校でもあり,今回のセミナーを非常に楽しみにしておりました.セミナーでは,東北大・新潟大の各医学物理士養成コースの現状と研究成果をお互いに報告し合いました.

新潟大学の先生方からは,convolution, deconvolutionを応用したCT肺がん用CADの性能評価に関する報告をして頂きました.これは,私が新潟大学在籍時に卒業研究で関わらせていただいた内容に関する研究でした.懐かしいと思う反面,当時はあまり深く理解できていなかったことに気づかされました.この他,モンテカルロシミュレーションを用いた歯科金属の後方散乱による線量評価やMLCパラメータのTPS登録値が線量分布へ及ぼす影響の可視化など,当研究室の特色とは異なる研究を多く報告していただき,非常に貴重で有意義な時間を過ごすことができました.

我々東北大学からは,画像変形技術であるDeformable Image Registrationを用いた合算線量評価やEPIDを用いた患者実投与線量分布の推定,FDG-PET SUVmaxの予後因子としての再評価,DVH-based patient QAに関する報告をさせていただきました.

私は,MRI画像を用いた治療計画という内容で報告させていただきました.今回報告できた内容に関しては,ネガティブな結果のみとなってしまいましたが,新潟大学の先生方から多くの質問やご意見をいただくことができ今後の研究に生かすことのできる貴重な発見をすることができました.

最後に,今回このような貴重な勉強の場を提供してくださった主催の東北がんプロフェッショナル養成推進プランの事務局の皆様,新潟大学医学物理グループの皆様、青山教授にこの場を借りて感謝申し上げます.