東北大学病院 放射線治療科

研究活動について

学会参加録 2013年

日中韓放射線治療シンポジウム参加録

教授 神宮 啓一

2013年11月21日 成都

毎年持ち回りの当番で開催されている日中韓放射線治療シンポジウムの第5回が四川省の成都で開催されました。私は本シンポジウムの参加は初めてでした。2か月ほど前に群馬大学の中野教授より発表の機会をいただき参加してきました。出発の直前にテロなどがあり少し治安を心配しましたが成都では特に問題ありませんでした。成田からAir Chinaで北京経由で成都入りでした。北京空港で一度全員機体から降りて入国手続きになるのですが、成都まで行く乗客には北京で降りる人で区別するためにシールを配られ、服の目立つ所に貼らされ、降機したところで選別されました。ちょっと恥ずかしいシールでした。成都は人口1000万の大都市で幹道沿いには日本では想像つかないほどの大きな建物が多数建てられており、まだまだ建設中といった感じでした。車は高級車が多数走っておりました。ちょっと日本と国の勢いが違うなあという印象でした。
シンポジウムでは各国の食道癌と前立腺癌の標準治療(ガイドライン)について発表し、それぞれ討論という形で、それぞれの疾患毎に各国30分ずつ自国の状況を説明し、更に1時間半討論といった内容でした。

私は日本の食道癌の現状について説明いたしました。驚いたのは世界の食道癌の約半分が中国で発生しているとのことでした。中国では到る所で喫煙をしており、分煙や禁煙といったものは全くといってないようでしたので少し納得しました。きっと今後も癌患者が増えることだろうと確信しました。また中国ではリンパ節領域への予防的照射は行わないという見解で、日本との違いがありました。予防域をとった場合と再発率やOSに変化ないんだということ示していました。確かに照射野の設定については明確なエビデンスはなく今後日本でも検討する必要があると感じました。実はJROSG消化器Gで予防域をほとんど設けない前向き研究が行われておりましたが、症例登録が進まず中止となりました。いずれまた同様の研究が必要かもしれません。


正面の女性は韓国放射線腫瘍学会の新しい
プレジデントだそうです。

 

第3回東北放射線医療技術学術大会

放射線腫瘍学分野 修士1年 金井 貴幸

2013年11月02日~03日

11月2日~3日にかけて福島市にて開催された第3回東北放射線医療技術学術大会に参加しましたので報告させて頂きます。

当学会は、放射線治療に限らず診断分野に関する発表も数多く行われていました。特に、臨床で働く放射線技師の方々の発表が数多く行われおり、普段携わる機会の少ない分野の発表を聴講することができたことは非常に良い刺激になったと思います。

今回私は、2日目に「B-splineを用いたDeformable Image Registration (DIR)の高精度化の検討」というテーマで発表させて頂きました。DIRは近年注目されている画像処理技術であり、放射線治療への様々な応用が盛んに研究されている分野でも有ります。DIRは放射線治療において比較的新しい技術ということもあり詳しい方が少ないにも関わらず、発表後には他施設の方を中心に多くの質問を頂き、この技術がいかに注目されているかを再確認することができました。また同時に、DIRが放射線治療にいかに貢献できるかを考え、研究し、発信していかなければならないと強く感じました。発表自体は質疑応答を含め10分間という非常に短いものではありましたが、私にとって非常に有意義な発表であったと思います。

また、当学会のテーマは「自ら立つ・守る・ひらく未来」、また市民向け副題が「放射線のこと、福島で学ぶ。福島と学ぶ。」であり、そのテーマに相応しく学会では一般市民向けのカルチャースクールやパネル展示が多数ありました。普段は放射線治療ということで、原発や環境放射線とは程遠い分野の研究を行っている私ではありますが、今回の学会は、放射線に携わる者として世のために何ができるのかを考えさせられた学会でもありました。

最後ではありますが、発表を行うにあたり、日頃から親身な御指導を賜りました先生方、このような機会を与えて下さった放射線治療科の皆様に深く御礼申し上げます。

 

 

第26回日本放射線腫瘍学会学術大会 参加録

教授 神宮 啓一

2013年10月18日~20日

恒例のJASTRO学術総会が青森で同門である弘前大学放射線科教授 高井良尋先生が開催されました(写真1)。青森という地方都市でありましたが、多くの参加者があり盛況でした。
今回、私はパネルディスカッション「食道癌に対する治療戦略」においてパネリストとして術後再発食道癌への治療戦略と題し発表しました。このパネルディスカッションでは士腫瘍内科や外科の先生方もパネリストとして参加され、それぞれの立場から治療戦略について説明があり、とても勉強になりました。また今回は第19回梅垣賞を頂き(写真2)、受賞講演を行いました。この賞は故・梅垣洋一郎先生が1995年に設立された若手研究者へ送られる大変栄誉ある賞です。毎年1~2名が選出されますが、今年は運良く小生の論文「Long-term results of radiochemotherapy for solitary lymph node metastasis after curative resection of esophageal cancer.」が選出されました。梅垣先生とは直接面識はありませんが、お亡くなりになる半年程前に放医研で行われた講演を拝聴し、なんと先見の明と熱意がある方であろうと感銘を受けたことを覚えております。その先生の名前のついた賞がもらえましたことは大変励みとなり、今後もがんばろうという思いを新たにしました。

懇親会においては会議のため遅れていくとほとんど食べるものがないほどの盛況で、終盤にはまぐろの解体ショーがありました。そこでは今回の演題すべてから査読点数の高かった方の表彰が行われました。そこで助教の梅澤先生と角谷先生の2名が優秀演題賞銅賞を受賞し、高井大会長より賞状とメダルを授与されました(写真3)。優秀演題賞6名のうち2名を我が教室から出たことに大変誇りに思いました。後輩たちも彼らに続くように願います。今回は受賞者の顔写真が会場の所々にパネルとして飾られておりました(写真4)。これは初めての試みだったようで、まるでASTROのようでした。受賞者の一番上には、JASTROへの特別功労賞(Gold medal)が送られた放医研の辻井先生が大きく載っていました。辻井先生は言うまでもなく重粒子線治療の確立に寄与をされた方で、私も放医研での勤務中には論文作成などでご指導いただいた恩師の一人であり、その方と一緒のパネルに載ったということ、我が教室の若手2人と一緒に載ったということにまた感激がひとしおでした。懇親会のあとに行った2次会では大変おいしい田酒をいただきました。

 
会長招宴での大会長挨拶   梅垣賞受賞講演において
JASTRO理事長と記念写真
 
合同懇親会にて
優秀演題賞の表彰式
大会長と受賞者とミスねぶた
  受賞者パネル

 

ASTRO 55th annual meeting

放射線腫瘍学分野修士2年 新井 一弘

2013年09月22日~25日

2013年9月22日~25日、ジョージア州アトランタで行われましたASTRO 55th annual meetingに参加して参りましたのでご報告させて頂きます。国際学会への参加は今回が初めてで、飛行機恐怖症ということもあり多少心配しておりましたが大きなトラブルはなく、楽しんで帰ってくることができました。

医学物理分野からは、博士課程の小野里さんと私がポスター発表をし、指導教官である角谷先生にも同行して頂きました。私のポスター発表のタイトルは「Comparison of cumulative dose in the spinal cord using rigid registration and non-rigid registration for two-step adaptive intensity-modulated radiotherapy for head and neck cancer」であり、two-step IMRTにおける治療期間中の線量を剛体位置合わせ、非剛体位置合わせを用いて合算する方法を比較検討し、位置合わせ精度が線量に与える影響を解析しました。

口演発表では、私たちの研究テーマであるAdaptive radiation therapyや肺機能画像を利用した治療計画などに関する発表も多く行われており、大変勉強になりました。また、企業ブースでは企業の方々に最新の治療機器などについて説明をして頂き、学会後のセミナーに参加するなど、とても充実した学会となりました。

今回の学会では自分の研究分野に限らず、多くの知識を得ることができただけではなく、国際学会に参加することによって、今後の研究に対してもさらに意欲が湧き、英会話などにも積極的に取り組んでみようと思うようになりました。

最後になりますが、ご指導・ご協力くださいました先生方、ならびにこのような機会を与えてくださいました先生方にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。

 
学会会場 Georgia World
Congress Centerです
  新井先生と新井先生のポスターです
   
小野里先生と小野里先生のポスターです    

 

医学生・研修医のための放射線腫瘍学秋季セミナー

大学院生 石川 陽二郎

2013年10月05日

2013年10月5日に仙台市で開催された「医学生・研修医のための放射線腫瘍学秋季セミナー」にチューターとして参加しました。同セミナーは医学生、研修医を対象として実際の症例の治療計画を行うことをメインとした実習型のセミナーです。今回は実習生3名が一台の治療計画装置(ピナクル)を使い、各大学から派遣されたチューターがサポートしながら治療計画を行いました。

症例のテーマは「前立腺癌」、「肺癌の定位照射」でした。まず症例の臨床情報から治療方針を議論を行い、実際のCTに治療計画をたて、各グループの代表者にプレゼンテーションを行っていただきました。個性的な意見や治療計画が多かったのが印象的で、ガイドラインなどに慣れてしまっている自分としては大変刺激になり有意義なものでした。

 

 

ASTRO (アメリカ放射線腫瘍学会) 55th annual meeting参加録

大学院生 山本 貴也

2013年09月22日~25日

2013年9月22日から25日にかけてアメリカのジョージア州アトランタで行われたASTRO meetingに参加してきました。アトランタはデルタ航空のハブ空港なので成田からの直通便もありますが、料金と相談して私はワシントンDC経由の格安路線で行って参りました(お陰で帰路はドア・ツー・ドアで30時間以上かかりましたが・・)。学会発表なのに交通費も支給してくれないのかっと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、今回私は夫婦2人での出席だったのです(さすがに妻の交通費までは出ません)。ASTROではfamily registrationを行えば家族も安い参加費で学会に参加出来るので、これを利用して夫婦で参加してきました。

今回当科からは神宮教授、梅澤先生、医学物理士の小野里先生・新井先生、私も加えて計5名がPoster Presentationを行って参りました。さらに大学院生の高橋先生、医学物理士の角谷先生も同行され、計7名でのASTRO参加でした。私は初めてのASTRO参加でしたが、まずは学会内容の濃密さに驚いてしまいました。朝は7:45から教育口演が始まり、発表も通常の口演発表だけではなく、途中にDiscussantが入ってまとめ・討論・展望などが話されかなり密度の濃いものでした。

今回私のテーマは肺定位放射線治療(SRT)の予後因子の解析を、FDG-PETのSUVmaxに影響を与える因子を補正し、再検討を加えたというもので、Receptionでは英語でポスター内容を要約して話してくれと言われてしどろもどろになってしまったり、また山梨大の大西先生ともお話・ディスカッションすることが出来ました。SRTは日本からの発表も多く、肺SRTに関する口演発表では、大西先生が2000例以上のI期の非小細胞肺癌に対するSRTの多施設研究の報告をされていましたし、北大の鬼丸先生がT2非小細胞肺癌に対するSRTの線量増加第I相試験(JCOG0702)の報告を、名古屋市立の村井先生は腫瘍の径と再酸素化の時間を重視した戦略による肺SRTの成績を報告されていました。村井先生からは(来年のASTRO会場である)サンフランシスコで会いましょうと声をかけて頂きました。来年は口演発表出来るよう益々励もうと感じた次第です。

最後に、大所帯でのASTRO参加でしたので、逆に大学病院に残って我々の分まで働いて頂いた先生には大変ご苦労をおかけしました、感謝申し上げます。

 
自分のポスターと撮ってみました   梅澤先生とポスターです
 
神宮教授によるポスター回診の様子   ワールドオブコカコーラやジョージア水族館にも
足を伸ばしてみました

 

第12回CSR(The Joint Conference of Surgery and Radiology)晩翠通

講師 松下 晴雄

2013年09月06日

2013年9月6日(金)に毎年恒例のCSR晩翠通が勝山館にて行われました。この研究会は主に食道癌、乳癌の治療に関して公済病院外科、東北大(関連病院を含め)放射線腫瘍医それぞれの立場で意見交換をするのが恒例となっております。また近年では臨床放射線技師、医学物理士、看護師など多業種の方にも参加いただいております。

今回は東北大放射線治療科から「乳房温存療法、術後放射線治療ーboost照射について」ということで私から話題提供させていただきました。当科では今年度から院内紹介症例に関して若干プロトコール変更をしております。一つは病理診断にて断端露出とされた症例に関して、従来の10Gy/5fr から16Gy/8fr へ線量増加を行うということ、もう一つは術後断端陽性例に加え、50歳未満の患者さんにも腫瘍床にboost 照射の適応を推奨することです。これは、乳癌診療ガイドラインで「腫瘍床に対するブースト照射は乳房温存内再発を減少させるので勧められる。推奨グレードB」とされていることが最も大きな要因ですが、実際にはエビデンスを支持する臨床試験は多くなく、特に日本国内での有用な情報は非常に少ないというのが現実です。そこで乳房温存手術を非常に多く手掛けている公済病院外科の先生方に御意見を教示いただけるというのは大変有意義なことでした。また、部分切除+術後照射以外に乳腺全的+再建術という治療法が有力な選択肢となりつつあるということも実感いたしました。

勉強の後には和やかな意見交換の場も設けていただき、開催に協賛いただいいているマリンクロットジャパン(本年よりコヴィディエン社より分離独立)さんには大変感謝しております。この会の益々の発展を祈念いたします。

 

 

AAPM 55th Annual Meeting

助教 角谷 倫之

2013年08月04日~08日

第55回AAPM(米国医学物理学会)が、インディアナポリスで8月4日から8日まで開催されました。今回の研究は、去年の10月から留学していますStanford大学での研究成果をまとめた発表で、oral presentationでの発表となりました。今回の発表のタイトルは、「Radiation dose changes pulmonary function measured by 4D-CT ventilation imaging」であり、Stanfordで精力的に研究が行われている4D-CT画像のみからventilation imagingを作成する研究プロジェクトの一環で、治療前と治療中および治療後に4D-CTをprospectiveに撮影し、そのventilationを解析することで照射された領域の肺機能がどのように変化するかを解析し、この4D-CT ventilationの精度検証を行いました。結果として照射された領域は照射されていない領域に比べ、有意にventilationが変化することを明らかにしました。この結果は、4D-CT ventilationの有効性を示す新たなデータとして有効であり、この4D-CT ventilationを用いた4D-CT ventilation image-guided radiotherapyの臨床利用にまた一歩近づいたと考えられます。

また、今回の学会のnight partyは、近くのNFLのスタジアムを貸し切って行い、グランドにまで降りることができ、滅多にできない経験もする事も出来ました。

 
 
   

 

第42回制癌シンポジウム 参加録

教授 神宮 啓一

2013年07月05日

2013年7月5日に行われました第42回制癌シンポジウムに参加しました。今回は我が同門の東北大 放射線生物学 教授の細井義夫先生が大会長をお勤めになられました。
前日の会長招宴では当科名誉教授の坂本先生より放射線生物部会の成り立ちの歴史を教わりました。

今回のテーマは「起訴と臨床の対話」ということでした。午前中は低酸素領域の放射線への影響をどう解決するか、午後は最近注目されているBNCTに関するシンポジウムが開催されました。
小生はBNCTに関するシンポジウムの座長を、東北薬科大学に移られた福田寛先生と務めました。その直前のランチョンセミナーを含めますと8名のシンポジストによるそれぞれの症例経験や薬剤の開発、機器開発などが話され、それぞれでかなり白熱した議論が交わされました。これまで原子炉がないとできず、またマシンタイムも限られた状況のために臨床現場での発展がもうひとつであったこの治療法が、中性子のための加速器の開発により病院設置が可能となり、現在いくつかの病院で導入予定となっています。我々にとってはもっとも近いものとして南東北病院で建設中であり、臨床における発展が期待されるところです。今回のシンポジウムは日本を代表する放射線基礎、物理、臨床の先生からお話が伺え、小生の知識の整理にもなり、大変勉強になりました。
また翌日も放射線生物部会学術大会も盛大に行われました。
大会長の細井先生、事務局の皆さま、大変お疲れ様でした。


写真は九州大学の平田先生、大会長の細井先生、
一緒に座長を行った福田先生、奈良県立医大の
長谷川先生方と懇親会にで撮影し、
平田先生から送ってもらったものです。

 

第128回日本医学放射線学会北日本地方会 参加録

大学院生 高橋 紀善

2013年06月14日

今回、新潟で行われました第128回日本医学放射線学会 北日本地方会へ参加して参りました。私は治療のデビューセッションで東北大学病院における放射線治療経験を発表いたしました。放射線治療科に入局し最初の学会発表ということで緊張しましたが、なんとか無事に終えることが出来ました。他の施設の演題や前日に行われた腫瘍研究会にも参加し大変勉強になりました。今後も放射線治療について学んでいきたいと思います。

 
デビューセッションでの発表の様子   今回デビューセッションにて発表された高橋先生、
医学部学生平塚君、医学物理士伊藤先生

 

第105回日本医学物理学会学術大会

放射線腫瘍学分野修士2年 新井 一弘

2013年04月11日~14日

2013年4月11日からの4日間に行われました、第105回日本医学物理学会学術大会に参加して参りましたのでご報告させていただきます。

この学会では、一般講演だけではなく、特別講演、教育講演など多数の発表が行われ、活発な意見が交わされました。また、国際医用画像総合展が同時に開催され、多くの企業による最新の放射線医療機器を見ることができました。さらには学会後のセミナーや意見交換会でも、多くの方々と交流することができました。
今回は、同期の小笠原、曹とともに参加し、私は3日目に「Deformable image registrationを用いた頭頸部IMRTにおけるリスク臓器の積算線量評価法の検討」という演題名で発表をさせていただきました。質疑応答では多くの意見をいただき、大変勉強になりました。また、自分の研究している分野に関する発表も多く、とても充実したものになりました。この学会で学んだことを今後の研究に活かしていきたいと思います。

最後になりましたが、このような学会発表の機会を与えてくださいました東北大学病院放射線治療科の皆様にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 

第72回日本医学放射線学会総会参加録

教授 神宮 啓一

2013年04月11日~14日

4月11日-14日まで横浜で行われました日医放総会に参加してきました。今回は初日に頭頚部がんに関するセッションの座長と3日目に再発・転移がんに対する定位放射線治療という演題名の教育講演を行ってまいりました。座長を担当しましたセッションではどれも興味深く、よく検討された演題でした。通常のX線治療の他、サイバーナイフや粒子線の内容もあり、改めて幅広い知識が必要になってきた思いがしました。中には同門の小藤昌志先生の重粒子線治療に関する演題もありました。初日にも関わらず思ったよりも多くの参加者と活発な質疑応答が行われました。また皆様のご協力により円滑な進行ができたかと思います。この場を借りまして御礼申し上げます。
教育講演では私の講演に先立って原発性肺がんに対する定位放射線治療の教育講演を九州大学の塩山先生がありました。私の知識のリフレッシュともなり、濃い内容に感銘を受けました。私の当てられた項目はかなりマニアックな内容でどのように講演を構成しようかと悩みました。結局は文献のレビューとこれまでの当院での治療成績をまとめて報告としました。またoligo-recurrenceの定義を示し、再発転移であっても局所治療が根治につながる可能性が大いにあることを提示しました。相当マニアックで稚拙な教育講演にも関わらずとても多くの先生方にお聞きいただいたようでした。少しでも参加いただいた先生方の日常臨床にヒントを与えられれば幸いです。

講演スライドのPDF版がほしい方は医局秘書までご連絡ください。
secretary☆rad.med.tohoku.ac.jp (☆を@マークに変更してお送りください)

 

第72回日本医学放射線学会総会 参加録

大学院生 山本 貴也

2013年04月11日~14日

2013年4月11日~14日にかけてパシフィコ横浜にて行われた第72回日本医学放射線学会総会に参加し、口演発表を行って参りましたのでご報告します。
一年に一度開催される大規模な学会で、JRC 2013 (Japan Radiology Congress 2013)として日本医学放射線学会総会、放射線技術学会総会、医学物理学会学術大会が開催されます。放射線に携わる放射線治療医、診断医、医学物理士、放射線技師が一堂に会しますので、会期中はパシフィコ横浜がスーツ姿の人々で埋め尽くされてしまう程です。
そんな大規模な学会の中、当科神宮教授が頭頚部セッションでの座長及び教育講演をなされ、私も幸運にも口演発表を行う機会を得ました。
今回私は早期肺癌に対する体幹部定位照射に関して発表をさせて頂きました。口演を行うスライドは英語で、とのことでスライドまず作りに苦戦してしまいました。
実際の発表でも、ほぼ満席の会場で頭の中が真っ白になりながら口演発表し、質疑応答もしどろもどろになりながらと更に苦戦しましたが、何とか無事終える事が出来ました。今後はもっとよりより発表が行うことが出来るように更に精進して行きたいと思います。

 
神宮教授の教育講演の様子   懇親会での山田名誉教授と新入局員の高橋先生