1985年から1998年の間に、X線併用もしくは非併用で陽子線治療を行った食道癌46例の治療成績をまとめた。
前例局所限局例で、1例を除き全員が扁平上皮癌であった。46例中、40例はX線(平均線量48Gy)と陽子線(平均線量31.7Gy)の組み合わせで治療された。併用療法の平均総線量は76.0Gy(分布:69.1Gy-87.4Gy)であった。残りの6名は、陽子線単独であった。(75-89.5Gy、平均線量82.0Gy)
46名の5年累積生存率は、全例34%、T1(n=23)55%、T2-4(n=23)13%であった。5年疾患特異的生存率は46名で67%、T1 95%、T2-4 33%であった。5年の局所制御率はT1が83%、T2-4は29%であった。初再発は16名が局所で、2名が遠隔転移であった。
これらの結果から、陽子線治療は局所限定の食道がんに有効であることが示された。今後は最適な線量と分割スケジュール、そして、陽子線と従来のX線で化学療法の最適な組み合わせを決定することが必要である。
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