1983年から2000年にかけて、筑波大で51例の非小細胞癌(NSCLC)の陽子線治療を行った。
stageTが28名、stageUが9名、stageVが8名、stageWが1名、5名が再発患者であった。
全患者のうち、33例が扁平上皮癌、17例が腺癌、1例が大細胞癌であった。平均1回回数は3.0Gy(範囲:2.0-6.0Gy)で総線量は76.0Gy(範囲:49.0-93.0Gy)であった。
全患者の5年生存率は29%、9名のstageIAが70%、19名のstageIBが16%であった。(IA vs IB:p<0.05)照射野内での5年局所制御率は、stageIAで89%、stageIBで39%であった(IAが良好)。急性肺毒性関連:47名(92%)の患者はgrade1もしくはそれ以下で、3名はgrade2、1名がgrade3、grade4以上はいなかった。現在のシリーズの患者には殆んど晩期障害は認めていない。
陽子線治療は非小細胞癌(NSCLC)、特に初期段階の患者にとって、安全かつ効果的な治療法である。X線の定位照射や3次元照射と比較して陽子線治療の優位性を今後の臨床研究で、明確にしなければならない。
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