1989年から2000年までに筑波大でX線併用あるいは非併用で陽子線治療を行った頭蓋底脊索腫13例を解析した。平均総線量は72.0Gy(範囲:63.0-95.0Gy)で、経過観察期間は平均値69.3ヶ月(範囲:14.6-123.4ヶ月)であった。
5年局所制御率は46.0%、5年原病、全、無病生存率は、それぞれ72.2%、66.7%、42.2%であった。術前腫瘍容積30ml未満の局所制御率は統計学的に有意ではないが良好であった。腫瘍切除術を行ったものは、生検のみのものより良い局所制御率はもたらされなかった。
陽子線治療は、特に小さな頭蓋底脊索腫に有効な治療法である。治療歴がなく腫瘍容積30ml未満で生検のみの症例が、陽子線治療のよい適応である。
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