JCOG 04XX
前立腺癌術後再発 放射線-内分泌phaseIII
c T1-2N0M0 (術後病理所見:pT0/2/3、pN0/1)
根治的前立腺摘除術後PSA再発
(術後PSA値
0.1ng/ml以下→0.4以上に再上昇、1.0以下)
下記のA,B2群にランダム割り付けする
A群(内分泌治療単独群)
登録後4週以内に内分泌治療を開始する。
B群(放射線±内分泌治療群)
登録後4週以内に前立腺床に対する64.8Gyの外照射を行い、治療中止。
治療後のPSA増悪、臨床再発・増悪に対して、内分泌治療(A群と同じ)を開始する。
1 線量と分割法
1回1.8Gy、1日1回、週5回、計36回、総線量64.8Gy、総治療期間50日間、
許容総治療期間80日間とする。
2 治療装置
6MV以上で、SSDまたはSAD100cm以上
(但し、体厚の小さな患者を除き、通常は10MV以上のX線を使用)
3 標的体積の設定
CT治療計画を必須とす。(CT画像を参考としたX線シミュレーターによる計画は許されない)
10mm未満のスライス厚でのCT撮像が望ましい。
4 GTV
本試験では臨床再発を対象としないことを規格基準の1つとしているため、画像的に同定できる腫瘍を持たない。従ってGTVは規定されない。
5 CTV
pT0,
pT2, pT3aの症例では、前立腺床(すなわち術前の前立腺占拠部位)とす。
pT3bの症例では、術前の前立腺占拠部位および精嚢腺占拠部位とす。
CTV (前立腺床)
(1)前後左右縁
頭尾方向に3つの部位に分け次のように定義
@ 恥骨結合から左右の恥骨弓が同定できる高さより頭側
術前画像を参照しながら、膀胱尿道吻合部・膀胱後下壁を充分含める。
pT3b症例では術前の精嚢腺占拠部位を含める。
但し、Water densityが明らかに同定できる膀胱底部よりも頭側に2cmを超えない。
A 恥骨結合が同定できる高さ
前縁は恥骨結合後縁、後縁は直腸前壁前縁。
左右縁は前立腺被膜左右外側縁(すなわち術前画像の内閉鎖筋内側縁)。
B 恥骨結合が消失し、左右の坐骨脚が同定できる高さ
後縁は直腸前壁前縁、前縁は恥骨結合後縁より腹側に超えない。
左右縁は左右坐骨脚内側縁。
(2)上下縁
@上縁;前立腺尿道近位部および内尿道口、すなわち膀胱尿道吻合部を十分含む高さとす。
膀胱内のWater densityが明らかに確認できる膀胱底部の高さまでCTVに含める。
pT3b症例では術前の精嚢腺占拠部位をCTVに含めるが、膀胱底部よりも頭側に2cmを超えない。
A下縁;尿生殖隔膜の高さとする。
(すなわち、恥骨結合が消失し、左右の坐骨脚および左右の陰茎海綿体脚が明らかに分離同定できる高さとする)
6 PTV
CTVにInternal
Organ Motion、患者固定再現性の誤差などを見込んで適切なマージンを加えたものとし、照射体積(照射野)はPTVを含むものとす。
照射野辺縁の線量低下も考慮するとCTVから照射野辺縁までの距離は各方向に少なくとも1.0cmは必要。
治療は前後対向および左右対向の4門照射で行う。
治療開始後の標的体積の縮小は行わない。
1回の治療で4門すべてを照射する。
膀胱への線量低減のため、治療前30分ないし1時間排尿を禁じる。(治療計画時も同様)
直腸体積の極端な増減を避けるため、日々の便通を励行する。
治療計画CT時に糞便あるいはガスにより極端な直腸の拡張が認められた場合にも治療計画を延期することが望ましい。