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医学物理士を志望する方へ

助教 角谷倫之

1-1医学物理学とは
 医学物理学とは物理工学の知識・成果を医学に応用・活用する学術分野です。

1-2 医学物理士とは
 医学物理士とは、放射線を用いた医療が適切に実施されるよう、医学物理学の専門家としての観点から貢献する医療職です。
 診断分野においては、医師と連携を取り、診断的有用性と安全性のバランスを保ち、診療放射線技師と協力し、診断装置および診断画像の品質管理・保証を実施します。また、放射線診断に関する医学物理学的研究開発を行います。
 治療分野においては、医師と連携を取り、治療計画の最適化を行い、診療放射線技師および放射線治療品質管理士と協力し、治療装置の品質管理・保証を行います。また、放射線治療に関する医学物理学的研究開発を行います。さらに、患者体内での吸収線量に関する位置的精度と量的精度が臨床上必要な範囲に収まっていることを確認し、医師の処方通り治療が行われていることを担保します。
 欧米においては5000人以上の医学物理士が大学機関、医療機関、研究機関等で活躍していますが日本では約500人程度しか認定されておらず、その中でも実際に医療現場で活躍している医学物理士はさらに少ないのが現状です。日本の放射線治療のさらなるレベルアップのためには、専門スタッフの人材育成が重要であり、特に欧米に比べ医学物理士が大場に不足している現状が問題視されています。

1-3 治療分野における医学物理士の業務
 治療分野における医学物理業務として以下があげられます。医師や診療放射線技師、放射線治療品質管理士の業務との重複もありますが、医学物理学の観点から関与するという点において異なります。

(1) 治療計画における照射線量分布の最適化(注)および評価
(2) 治療装置・関連機器の受け入れ試験(アクセプタンステスト)・コミッショニングの計画、実施、評価
(3) 治療装置・関連機器の品質管理・保証の計画、実施、評価
(4) 治療精度の検証、評価
(5) 放射線治療の発展に貢献する研究開発
(6) 医学物理学に関する教育
(7) 患者への放射線治療に関する医学物理学的質問に対する説明

(注) より具体的には、医師が指示する処方線量を実現するために、マージン設定、照射方向および各門の重み付けなどの最適化を実施します。

1-4 医学物理士育成コース
 本学における医学物理士コースの募集は、東北大学大学院医学系研究科医科学専攻放射線腫瘍学分野において医科学修士と医科学博士、また保健学専攻放射線治療分野において保健学博士前期と保健学博士後期の両分野で行っています。医学物理士コースは、工学部と連携し、力学、電磁気学、量子力学そして原子核物理学に至るまでの科目を必修とし、欧米に勝るとも劣らない医学物理士を育成するための教育を行っています。
 放射線治療科では、放射線治療装置を4台、放射線治療計画装置を8台有しており、年間の新規患者数も国立大学病院の中で最も多く、体幹部定位放射線治療や強度変調放射線治療などの高精度放射線治療も積極的に行っています。医学物理部門では臨床と研究を両立して行う欧米型の医学物理士業務を行っています。
 この放射線治療科で大学院生は3名の医学物理士の教官とともに実際に治療計画の最適化を行います。また治療計画の評価・チェックを行い臨床で医学物理士として活躍できる基盤を構築します。放射線治療装置・関連機器の品質管理のトレーニングも行います。さらに医学物理士の教官の指導の下放射線治療の研究も行い、学会発表や論文発表も精力的に行っていきます。

東北大学大学院医学系研究科 放射線腫瘍学分野 医学物理グループホームページ

 

(一部、日本医学物理学会資料より引用)

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