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被災地の大学から報告とお礼を申し上げます。

 この度の東日本大震災では多くの人の命が失われ、原発事故も追い打ちとなって十数万人もの方々が身ひとつで避難生活などの生活を余儀なくされています。一方、仙台市中心部の損壊はさほどではなく私どもの医局でも幸い人的被害はありませんでした。東北大学病院は震災発生後ただちに救急患者対応にシフトしました。当初、画像システムが利用できませんでしたが、私たち放射線科医は、CT・MRI室に張り付いて救急CT・MRIのリアルタイム読影、通常診療に向けての調整、感染症の読影、被災地からの紹介患者の画像診断やり直し、被ばく相談・計測と除染など、放射線科医としての役割を果たし、またかなりの労力をシステム構築にかけてきました。そして3月28日の週から東北大病院は救命対応に加えて、通常診療も開始しました。交通機関の改善とともに患者数が徐々に増加しつつあります。

 この間、全国からまた海外からも、皆様方にはさまざまな支援のお申し出を賜りました。
食料品その他のご支援や、赤十字などを介した義捐金の申し出がございました。放射線科医の皆さんからは被災地支援の一環として「遠隔」もしくは「現地」での画像診断を行いたい、というようなご提案もございまして、大変有り難く感謝申し上げます。海外からは研究者受け入れの申し出もございましたが、少なくとも臨床医がこのような危機的状況に直面して立ち去るわけにはいきません。その他、研修が困難になった被災地の研修医を受け入れたいという有り難いお話しも頂戴しましたが、現時点で身の回りでは、力を合わせてこの危機的状況を乗り切っていこうと考えております。

 津波による壊滅的な打撃が多かったためか、これまでのところ画像診断まで至る患者は比較的少なめでした。しかし、今後、ガソリン不足の解消や沿岸地区のインフラの回復につれて、遠隔読影支援などのニーズが急速に高まる可能性があると思われます。その際には是非、皆さんのお力をお借りしたいと存じます。

 今回の震災にはこれまでにない特殊性があります。その甚大な影響はかつて無いほどに広い地域にわたり、犠牲者・被災者の数も桁違いです。このため国中からあるいは世界からご支援をいただいているとは言え、被災者の各世帯あるいは個人にまで達する支援金はかなり限られた額になると言われています。その意味では、広く支援金をお願いしたく、web上で開催予定の第70回日本医学放射線学会総会にチャリティの意義を持たせる案があると聞き及んでおりますが、実現できたら大変素晴らしいことと存じます。

 皆様から寄せられたご支援のメッセージにはたいへん勇気づけられました。本当にありがとうございます。重ねて、被災された皆様方の一日も早い復興を心より祈念するとともに、皆様方の安全と健康をお祈り致します。そして今後とも変わらぬご協力ご支援を賜りますようお願い申し上げ、緊急のメッセージといたします。

2011年4月
東北大学放射線診断科 教授 高橋昭喜

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